「それじゃあ、次の質問ですが、あなたのライバルや目標の人はいらっしゃいますか?」
「目標は、全ての人ですね。ライバルは自分…です」
テレビの向こうでインタビューに受け答えしている女性に、白パンはこう訂正した。
「目標は自分、ライバルは自分の回りの全てのシンガーだろ…」
全く、あの城田マリモと縁有りなんて、悪い冗談だぜ。
このオッさんが…?
「何だ?ムサシ、俺の顔に何か付いてるか?」
ああ、付いているとも。アイドルとは不似合いな相が、ね。
「変な奴だな。まあいい。それより歌のお姫様はどうした?」
「ミキなら連日続いたツアーとその移動で、軽い目眩と喉が掠れるとかで、背広…マネージャーと事務所の近くの病院へ行ったぜ」
「あのオタク体質の眼鏡樽の医者の所か。可哀相に、お姫様ジロジロ裸を見られちまって(笑)」
「ふてぇ医者だなァ!」
オレは呆れ返った。
「そう言うな。それが医者の特権だ。それくらいの特権だがな(笑)」
白パンはソファーに深く座り直して白い歯を見せて笑った。
「何だよムサシ。まさかミキの裸を拝んでいやがる医者に焼き餅か?」
「そんなんじゃ無いぜ」
ミキとは音楽で語る仲間、いや、同士だ。
そう言ってやろうと思っていると先に白パンが後に続いた。
「オレ達は同士なんだから、裸とか洋服とかのカンケーじゃあネェよッ!てか?」
その通りだよ。テストなら満点に花丸を付けて回答用紙を返却するよ、生徒白パン君。
オレは返事をせず、モニターの向こうでインタビュアーににこやかに、したたかに回答している“アイドル”の方を見ていた。
何を聞かれ、何を答えていたのか全く耳には入っていなかったが。
それにしても過労が溜まっているのだろうか、ミキは…
「それじゃあ、イキまっかぁ~」
気の抜けたノッポの声の音頭で、メンバーはステージに向う。
心なしか、ミキの顔色が優れない。
「大丈夫か?」
「ん?ああ、別に。何処か変?この髪型似合わないかなあ、ハハハ…」
新しく付いたヘアメイクにいじられて、“無残”な頭を叩いて、ミキは笑った。
作り笑いじゃあないのか?
小さな疑念だった。
それも、ステージに投げ掛けられるオーディエンスの歓声に、あっと言う間に書き消された。
「ミンナ~元気?元気?元気ィ~!」
スポットライトに向かってミキは絶唱した。
「目標は、全ての人ですね。ライバルは自分…です」
テレビの向こうでインタビューに受け答えしている女性に、白パンはこう訂正した。
「目標は自分、ライバルは自分の回りの全てのシンガーだろ…」
全く、あの城田マリモと縁有りなんて、悪い冗談だぜ。
このオッさんが…?
「何だ?ムサシ、俺の顔に何か付いてるか?」
ああ、付いているとも。アイドルとは不似合いな相が、ね。
「変な奴だな。まあいい。それより歌のお姫様はどうした?」
「ミキなら連日続いたツアーとその移動で、軽い目眩と喉が掠れるとかで、背広…マネージャーと事務所の近くの病院へ行ったぜ」
「あのオタク体質の眼鏡樽の医者の所か。可哀相に、お姫様ジロジロ裸を見られちまって(笑)」
「ふてぇ医者だなァ!」
オレは呆れ返った。
「そう言うな。それが医者の特権だ。それくらいの特権だがな(笑)」
白パンはソファーに深く座り直して白い歯を見せて笑った。
「何だよムサシ。まさかミキの裸を拝んでいやがる医者に焼き餅か?」
「そんなんじゃ無いぜ」
ミキとは音楽で語る仲間、いや、同士だ。
そう言ってやろうと思っていると先に白パンが後に続いた。
「オレ達は同士なんだから、裸とか洋服とかのカンケーじゃあネェよッ!てか?」
その通りだよ。テストなら満点に花丸を付けて回答用紙を返却するよ、生徒白パン君。
オレは返事をせず、モニターの向こうでインタビュアーににこやかに、したたかに回答している“アイドル”の方を見ていた。
何を聞かれ、何を答えていたのか全く耳には入っていなかったが。
それにしても過労が溜まっているのだろうか、ミキは…
「それじゃあ、イキまっかぁ~」
気の抜けたノッポの声の音頭で、メンバーはステージに向う。
心なしか、ミキの顔色が優れない。
「大丈夫か?」
「ん?ああ、別に。何処か変?この髪型似合わないかなあ、ハハハ…」
新しく付いたヘアメイクにいじられて、“無残”な頭を叩いて、ミキは笑った。
作り笑いじゃあないのか?
小さな疑念だった。
それも、ステージに投げ掛けられるオーディエンスの歓声に、あっと言う間に書き消された。
「ミンナ~元気?元気?元気ィ~!」
スポットライトに向かってミキは絶唱した。