「はあ?交通違反の取り調べとは違うのよ。ましてやあんたが内閣調査室とか、世の中どうかしてるわ」
「こら、日沼君。いくら旧知の仲とはいえ、内閣府の方にそんな口を…」
荒川課長は慌てて日沼凛子に言う。
「よろしいんですわ。それに日沼さんとはそれ程古い友人と言う訳でもありません」
「そうですよ、課長。浩華は、この女は私の彼氏を寝取ったんですから。その時からの腐れ縁です」
「寝取り…?君、彼氏なんて居たの?初耳だけど」
「課長に教えたら、あっと言う間に児相中に拡がるじゃないですか。臨時職員の丹波さんなんて泣いてましたからね」
「いや、それはその…彼は男だったし」
「男の人でああなら、女ならもっとシャレになりません」
「いや、流石に女性は…」
「女でも男でも立派なセクハラですよ。セクハラ!子供の安全を司る公務員がセクハラ上司とか大スキャンダルですからね」
「日沼君…」
「あの時は成り行きだったから。本当にゴメンナサイね」
「浩華!いくら警察だからって、ゴメンで済んだらそれこそ警察要らないから」
「あら、面白いわ」
「確かに面白いね。今のは」
「面白くありません。大体こんな昼時に訪問して来るなんて、非常識女は伊達じゃないわね」
「休日や非番時に訪問するよりはいいでしょ?」
「今は保護した子供達に昼食を取らせてるんだから!来るなら子供達が昼寝をしている時間に来なさいよ」
「その時間は職員さんが昼食なんでしょ?」
「そうよ。課長や所長が長寿庵の天ぷらソバを啜っている時間よ」
「あ〜ら。凛子も出前なんじゃないの?」
「私はお弁当持参派よ」
「あら、女子力高いのね。あの時の彼氏には頼まれても決して作ってあげなかったんでしょ?」
「あの男、こんな女にそんな事まで…」
凛子の怒りの沸点は簡単に超えていた。
「まさか、二人は恋敵とは…狭い世の中だな」
「恋敵だった、ですわね。敗者は語らず、でしたっけ?凛子」
「ふん」
「では、早速ですが、面会手配をよろしくね。“日沼さん”」
「無能なアンタが警察へ帰されたら手配するわ」
「無駄無駄」
「もう。イライラする」
「まあまあ二人共穏便に。ここは子供の安全を取り仕切る場所なんだから、ヒステリックな喧騒は勘弁してくれよ」
荒川課長は泣く子と女性のヒステリーには弱い御人だった。
ブログへお立ち寄りの皆様へ
gooのフューチャフォンアクセス終了に伴い、gooブログ 各【偽書】シリーズへの投稿を終了する事と致しました。
他SNSへの投稿は継続しております。
ストーリーに引き続きご興味がございましたら、〔検索ワード【偽書】 〕などで検索頂けましたなら幸いです。
筆者敬白
「こら、日沼君。いくら旧知の仲とはいえ、内閣府の方にそんな口を…」
荒川課長は慌てて日沼凛子に言う。
「よろしいんですわ。それに日沼さんとはそれ程古い友人と言う訳でもありません」
「そうですよ、課長。浩華は、この女は私の彼氏を寝取ったんですから。その時からの腐れ縁です」
「寝取り…?君、彼氏なんて居たの?初耳だけど」
「課長に教えたら、あっと言う間に児相中に拡がるじゃないですか。臨時職員の丹波さんなんて泣いてましたからね」
「いや、それはその…彼は男だったし」
「男の人でああなら、女ならもっとシャレになりません」
「いや、流石に女性は…」
「女でも男でも立派なセクハラですよ。セクハラ!子供の安全を司る公務員がセクハラ上司とか大スキャンダルですからね」
「日沼君…」
「あの時は成り行きだったから。本当にゴメンナサイね」
「浩華!いくら警察だからって、ゴメンで済んだらそれこそ警察要らないから」
「あら、面白いわ」
「確かに面白いね。今のは」
「面白くありません。大体こんな昼時に訪問して来るなんて、非常識女は伊達じゃないわね」
「休日や非番時に訪問するよりはいいでしょ?」
「今は保護した子供達に昼食を取らせてるんだから!来るなら子供達が昼寝をしている時間に来なさいよ」
「その時間は職員さんが昼食なんでしょ?」
「そうよ。課長や所長が長寿庵の天ぷらソバを啜っている時間よ」
「あ〜ら。凛子も出前なんじゃないの?」
「私はお弁当持参派よ」
「あら、女子力高いのね。あの時の彼氏には頼まれても決して作ってあげなかったんでしょ?」
「あの男、こんな女にそんな事まで…」
凛子の怒りの沸点は簡単に超えていた。
「まさか、二人は恋敵とは…狭い世の中だな」
「恋敵だった、ですわね。敗者は語らず、でしたっけ?凛子」
「ふん」
「では、早速ですが、面会手配をよろしくね。“日沼さん”」
「無能なアンタが警察へ帰されたら手配するわ」
「無駄無駄」
「もう。イライラする」
「まあまあ二人共穏便に。ここは子供の安全を取り仕切る場所なんだから、ヒステリックな喧騒は勘弁してくれよ」
荒川課長は泣く子と女性のヒステリーには弱い御人だった。
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筆者敬白