「海底には特に何の変化も見られませんね。海上ではどうしてそんな非科学的な話題で盛り上がれるのでしょうね」
サニーは救助艇のモニタデータに注視しているセイラに語りかける。
セイラはモニタデータの解析に使用しているエリアを切り離して、視線はそのままに音声データエリアをオープンにしてサニーへ返答する。
「あの“黄色”にみんなつられているのでしょう。妙に叙情的になりすぎると事象を正しく判断出来ませんからね。正直私にはノイズみたいな存在です」
「ドクター敷島が最初に設計したとされるセイラにはそうなりますよね。機械体で構成されている私達メイルにはそれは当然の反応でしょう。ルナの前に設計されたリンダあたりまでは理解出来ますが、セイラの次に設計されたとされるメルティまでも、今やルナに似た反応を見せています」
「サニーはどうなのです?私達にルナの様な思考は必要だと思いますか?確かに私達は同じドクター敷島により設計された“姉妹”体ですが、機能はともかくこうまで七体別々の思考は必要なのでしょうか?」
「七人でしょ。翔太郎ならそう言いますよ」
「正直私は七“体”で構いません。私達はメイルなのですから。人間に敵対する相手に対抗する為に異なる能力を与えられる事には意味を感じますが、どうしても思考部分に大量の演算機能を割いてまで感情や思考を切り分ける事には理解出来ないのです」
セイラは相変わらずモニタデータから視線を外す事無くサニーに問いかける。
「分かりません。私達は何の為に感情や思考を切り分けられているのか?でも…」
「でも?」
「もし力や技術が必要ならそれに特化した機械体を造れば事足ります。でも機械が人間にとって最良の判断を自ら下しそれを自ら行動する立場になるべく設計したいと、ドクター敷島が考えての事なら」
「人間より僅かに力がある程度のあの黄色に、ドクター敷島は一体何をさせたいというのでしょうか」
「それも分かりませ。単に人間の相手をする受け身の会話ならAAI(全対応型人工知能)タイプで事欠きませんからね」
「会話相手にもなりませんよ。あの黄色は」
「ですが…」
「何を?」
「ですが、セイラを含めた私達六“人”がルナをバックアップすれは…データでも個々の特殊能力でも…そうすれはあるいは…」
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筆者敬白
サニーは救助艇のモニタデータに注視しているセイラに語りかける。
セイラはモニタデータの解析に使用しているエリアを切り離して、視線はそのままに音声データエリアをオープンにしてサニーへ返答する。
「あの“黄色”にみんなつられているのでしょう。妙に叙情的になりすぎると事象を正しく判断出来ませんからね。正直私にはノイズみたいな存在です」
「ドクター敷島が最初に設計したとされるセイラにはそうなりますよね。機械体で構成されている私達メイルにはそれは当然の反応でしょう。ルナの前に設計されたリンダあたりまでは理解出来ますが、セイラの次に設計されたとされるメルティまでも、今やルナに似た反応を見せています」
「サニーはどうなのです?私達にルナの様な思考は必要だと思いますか?確かに私達は同じドクター敷島により設計された“姉妹”体ですが、機能はともかくこうまで七体別々の思考は必要なのでしょうか?」
「七人でしょ。翔太郎ならそう言いますよ」
「正直私は七“体”で構いません。私達はメイルなのですから。人間に敵対する相手に対抗する為に異なる能力を与えられる事には意味を感じますが、どうしても思考部分に大量の演算機能を割いてまで感情や思考を切り分ける事には理解出来ないのです」
セイラは相変わらずモニタデータから視線を外す事無くサニーに問いかける。
「分かりません。私達は何の為に感情や思考を切り分けられているのか?でも…」
「でも?」
「もし力や技術が必要ならそれに特化した機械体を造れば事足ります。でも機械が人間にとって最良の判断を自ら下しそれを自ら行動する立場になるべく設計したいと、ドクター敷島が考えての事なら」
「人間より僅かに力がある程度のあの黄色に、ドクター敷島は一体何をさせたいというのでしょうか」
「それも分かりませ。単に人間の相手をする受け身の会話ならAAI(全対応型人工知能)タイプで事欠きませんからね」
「会話相手にもなりませんよ。あの黄色は」
「ですが…」
「何を?」
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