くまだから人外日記

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黍(きび)色ミラージュ騎士団(四聖獣〜戦巫女の間のストーリー) 19 第1章 枯れ野の薔薇18

2020-02-05 00:14:29 | 【偽書】シリーズ
「もう少し離れて歩けぬのか」
「離れてははぐれてしまう。もう少しゆっくり歩いてくれぬか」
馬車を町外れに止め、街路を進むガイロックスをそれこそ走る様に追いかけるヴィエラ。
「全く。これだから女は」
ガイロックスは決して歩みを遅くする事無く、かえって早足で歩いて行きます。
そこへ見るからに体の悪い一団が向かって来てすれ違います。
「おんや〜」
ガイロックス、そしてヴィエラとすれ違った一団の一番後方を歩く男が振り返ります、
そして素っ頓狂な声を上げて仲間に話しかけました。
「おい。ジャガイモみたいな騎士の後ろを歩く奴は男剣士姿だが、どう見ても女だぜ」
「ほほぅ。ジャガイモ騎士は女連れか」
茶化す様な一団を無視して道を進むガイロックス。
不安気に振り返ろうとするヴィエラを察知してガイロックスはこう言いました。
「振り返る必要は無い」
「だが…」
「おおい。シカトかよ。ジャガイモ騎士様。いい身分だな。白昼堂々と騎士が女を連れて歩くなど」
一団は早足で歩く(ガイロックスにしてみればそれは普通の速さでしたが)二人を追いかけはやし立てました。
「ガイロックス…」
「全く…」
ヴィエラの声にガイロックスは意を決して歩みを止めました。
それに合わせてガイロックスの横に並び同じく歩みを止めるヴィエラ。
「ほう?身にやましい事でもあったのか?それとも俺達の話が的を得ていたか」
「おいおいーそれはどちらも同じ意味だろ」
「ガハハ。そりゃそうだ」
「おや、ジャガイモ騎士殿は耳が不自由なのか?」
挑発を繰り返し嘲笑う一団。


「町で騒ぎを起こしては…」
「火の粉は振り払うのみ」
ガイロックスは剣に右手をかけながら呼応します。
「我を黍(きび)色ミラージュ騎士団の一員ガイロックス・バ・ヌラハムと知っての戯言かッ?」
「ガイロックス?お前知ってるか?」
「さて。黍色ミラージュ?そんな騎士団あるのか?」
「田舎者の私設騎士団だろ」
「違いない。最近は勝手に騎士を名乗る奴らも少なくないからな」
「ならばこの女もそれか」
「するとその腰の剣も見かけ倒しだな」
高笑いする一団に、ヴィエラも遂に剣に手をかけました。
「よせ」








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筆者敬白

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