くまだから人外日記

くまだからくまなのだ。

それでいいのだ。

【偽書】雪華残像(9G) 47

2018-10-31 08:21:07 | 【偽書】シリーズ
「いいえ。二本の足で歩いていましたが」
「この真っ暗闇の中で」
「はい」
「懐中電灯を持って?」
「手ぶらでしたよ。かなり慣れた様子で」
「それ、相当なものよね。子供が慣れた様子で手ブラで歩くなんて、誰得?まあ、そんな需要があるって事ね。セクシーなお姉様の桃恵にはよく分かないけれど」
「どうもそこを含めてよく分かりませんが、何故暗闇で需要とか…」
「そこじゃないでしょ。慣れた様子で手ブラで歩くのよ?」
「別に多少夜目が効けば」
「だから暗闇じゃなくて、子供が手ブラでよ…」
「だから懐中電灯持たないんですから手ぶらでしたって」
「さっきの件といい話の噛み合わない子ね。少女A子ちゃんは」
「チビ太…桃恵様こそ」
「アンタやっぱり桃恵の事を小さいとか…」
「すいませんつい本音…いやいや、何故手ぶらだと慣れた様子とか需要とか」
「あんた手ブラしたことないでしょ」
「あれ?現にここへ来る時は手ぶらでしたよ。まあ、厳密には桃恵様への荷物を持ってはいましたけど」
「アンタが手ブラ?無意味だし、そもそもちゃんと服着てるデショ」
「当たり前じゃないですか。こんな寒い雨の夜に服着なければ風邪ひいちゃいますよ」
「なら手ブラ出来ないでしょ」
「別に両手は開いてますよ」
「当たり前デショ。手ブラするには手は開いてなければ出来ないんだから」
「私達、歩み寄れる部分が見あたらないのは何故でしょう?」
「アンタがダメな部下だからデショ。桃恵どこも悪くないモン」
「手ぶらに拘られる理由がよく分かりません」
「そりゃアンタが貧乳だからよ」
「関係ありませんよ」
「大有りでしょ。出るとこ出てなければ手ブラは出来ないんだから…まあ、貧乳でもやれない事は無いケド」
「もしかして、桃恵様がおっしゃっておられる手ぶらとは『手で裸露出した胸部を隠す為の行為の“手ブラ”』?」
「それ以外何があるのよ?」
「両手を空にして、という手ぶらは桃恵様には存在しない?」
「桃恵の辞書には、両手にイケメンと濡れ手に粟しか無いのよ。成果や手柄や土産の無い手は無用よ」
「はあ…。さっきの件といい、どうして私達の大将はこう面倒くさいんでしょう…まあ、大将軍様もきっと似たもの同士なんでしょうね」
「ちょっとアンタ、桃恵を竹と一緒にしないでよ〜ッ!最大の侮辱ッ」
「はあ…手ブラの意味も無い癖に…」






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筆者敬白

【偽書】夏娘跳ねる 『蹴球同盟・乙女系』(夏娘2014) 24

2018-10-29 16:06:26 | 【偽書】シリーズ
「その人は三年生なんでしょ。なら今年度中に付き合えたら私の負け。もし告白出来なかったり付き合えなければ来年から一緒にサッカーしようよ」
「何それ。私が万が一にも振られるとか有り得ないし」
「なら賭けようよ。振られないならいいじゃない」
「虹見さんが負けるだけよ。その時はどうする訳?坊主頭にして水着姿でグラウンドでも走る?」
結構キツいぞ、超自信家JK芦田真央!
「いいよ」
「えっ…?おいおい始、無茶言うなよ」
「えっ?私が持ち掛けた賭けだし。それより芦田さんの脚力は魅力あるよ。即入部してくれるなら、明日からでも坊主にするよ。どうせ髪なんてすぐ伸びるから」
えっえっ…そんな無茶な賭け…。
「ふふふ。虹見さんの坊主頭確定ね。冬の水着は寒いわよ」
「裸は困るけど、水着ならいいよ」
それを遠巻きに聞いていたクラスの男子が拍手する。
「いいぞブラボー。虹見はいいやつだ。俺が女なら入部してやるんだが」
要らねー。
「いつ芦田の恋が上手く行ってもいいように毎日カメラ持参だ」
バカ…。
「坊主頭でスク水とかマニアック乙」
お前が…乙な。
「虹見。断髪式はいつやるんだ?」
関取の引退式じゃないから。
「という訳で賭け成立だね。期限は来年三月の卒業式まで」
「本気なの?虹見さん」
「うん」
「虹見は受けたぞ。芦田はどうするんだよ。やっぱり水着?」
「五月蝿い外野!引っ込んでな。誰が男子に見せるかい。虹見さん。もし来年卒業式までに私が上手く行かなければ、女子サッカー同好会に入部して、卒業まで毎日部活後全員のユニフォーム洗濯してスパイク磨いてサッカーボール修繕するわ」
「何だよ。水着は〜?虹見だけ水着は不公平だぞ〜」
「男子五月蝿い!虹見さん、せいぜい水着でグラウンド華麗に走る事ね」
「ああ。オーケー」
始ちゃんて少し変わってるとは思ってたけど…、かなりアレね。

「じゃ、賭け成立。立ち会い人は優美と至(いたり)ね」
「ハーイ俺も立ち会い人」
「俺も俺も」
「だから芦田も水着だろ」
「五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い」
芦田さんキレる。
「芦田!水着!芦田!水着!」
「言い出しっぺが逃げるのか?水着受けろよ!」
挑発する男子に掃除用具箱まで走り男子に向かってモップを振り回す芦田さん。怖い!

「あんた達も賭けに乗るなら、負けたらフリチンで三年生の教室全部と職員室一周とかどう?」
一気に静かになったギャラリー。








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【偽書】夏娘跳ねる 『蹴球同盟・乙女系』(夏娘2014) 23

2018-10-29 13:17:06 | 【偽書】シリーズ
「私達、サッカー部のマネージャーなのよ。そこの玄鳥(つばめ)さんとのバスケ対決も、隣のサッカーグラウンド側から眺めてたわ。今からサッカーグラウンドを走る気は無いけれど、あのロングフィードを蹴る虹見さんを純粋にグラウンドで見てみたいな〜って」
はあはあ、あの芦田さんが入部したサッカー部の先輩マネージャーさんか…。
「それに今年入部してきたマネージャーの芦田さんがね、あなた達の事を時々話してたしね」
あら。なら名前くらい貸してくれても…。
「あの子は無理よ。巧君にお熱だからね。元々陸上部なのにサッカー部のマネージャーをするなんて、恋のモチベーションが無くては無理よね」
「やはりそうなんですね」
「芦田さんはこれから大事なマネージャーになる子だし、私達なら三年生だから名前を貸しても実質夏場までだしね」
「それまでに頑張って部員を増やします。ありがとうございます」
始ちゃんが二人に深々と頭を下げるのに合わせて、私と至(いたり)も頭を下げる。

「ほら、名簿を貸して頂戴。ここで署名するから」
二人の三年生が、私達の為に入部してくれた。
再度頭を下げて感激しながら一旦教室へ戻る。


教室には今名前の出ていた芦田さんがこちらを見ていた。


「マネージャー達に名前書いて貰えた?」
「ありがとう。芦田さん。で、どう?一緒にサッカーやらない?」
始ちゃん。だから芦田さんはサッカーがしたいんじゃなくて、恋がしたい…ん?サッカー部の恋人が欲しい?とにかく女子サッカーには興味無いのよ。
「メリット無いからお断り」
「じゃあ勝負しようよ。走って私が芦田さんに勝ったら…」
芦田さんは手を広げて始ちゃんの言葉を 遮り言う。
「負ける気しないけど、勝負もしない。意味無いし」
「負ける気しないならやろうよ」
「私無駄な事大嫌いなの。私はサッカー部のマネージャー以外に時間割いてる暇が勿体ない」
つまりその先輩を少しでも見ていたいのね。
「恋も結構だけど、相手があっての事だよね?」
二人のやり取りを見ていた至(いたり)が言う。
「どう言う事?私が振られるとでも言うの!」
「いや、気に障ったらゴメンよ。でも恋は一方通行じゃあ成り立たないからさ」
「私が振られるなんて事は有り得ないから」
凄い自信家。少し羨ましいかも…。
「ならさ、なら競走は取り消すから賭けをしようよ」
「賭け?」









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サウザント・クロノス・ナイツ 銀髪のノーラ 『四つのクロノス その2』 43

2018-10-24 10:43:28 | 【偽書】シリーズ
「仕方がねえ。ノーラの悪運に付き合うか」
「ボクにはどちらに教皇様がいらっしゃるのかわからない。なら天空に居る人に聞くのが一番でしょ」
「亡くなった者は責められんから、もし外れならノーラを恨むかんな」
「その時互いに命があったなら存分に恨んでいいよ」
「何だ?随分自信ありそうじゃないか?コインの裏表で決めた進軍先なんだぞ。不安は無いのか」
「無いよ」
ノーラは迷いの無い瞳で続けました。
「無いよ。だって大切な友達であるアルルーが教えてくれたんだ。ボクはアルルーを信じるよ」
「死んだ仲間にそこまで」
「仲間じゃないよ。友達さ」
「参りましたよ。団長殿。さて、東の塔を一気に登るとするか」
「細い階段での戦闘は苦労させられそうだね」
「それも歴代の騎士団が苦戦した理由だろうな」
「なら先頭を行くのはかなり厳しいね」
「まさかお前が先頭を務める気じゃないよな?城門戦の様に」
「ダメ?」
「当たり前だろ。一瞬で勝敗が付いちまうだろ。おめえはしんがりだ」
「残念…」
「なあ、ノーラ。お前はそんなにあの武官のねえさん…アルルーの元へ行きたいのか」
「ボクはキラから“アルルーの分まで生きろ”って言われているよ」
「なら自重してくれよ。作戦と人選は俺がするから」
「…」
「分かってるのか?」
「少し話を聞いて欲しい」
「何だ?」
「ボクのあの力、あれはボクが危険に晒された時に発動してるんだよね」
「多分…な」
「しかも制御不能ときた」
「まさか…」
「細い城壁階段を前に進むなら、後方の騎士団と距離を置けば…もしや」
「おめえは…相当ムチャクチャ考えやがる」
「ダメかな」
「駄目だ。もし発動する前におめえがくたばったらお終いなんだぞ」
「だよね」
「それにあんな古くて狭い塔のなかであの力を爆発させたら最悪塔ごと教皇殿まで粉々にしちまうぞ」
「それはまずい」
「なら大人しく作戦に乗っかればいい」
「…うん」
「不服か?」
「でも、もう説得出来る材料が無いよ」
「担がれた神輿に乗るのは苦手か?」
「うん」
「東西の塔それそれに続く前庭がある」
「城内の最初の関門はそこ?」
「そこには担がれた神輿に乗っている奴が居るらしい。しかもお前さんと同じ若い女だ」
「女の賊軍?」
「まあ、正規とか賊かは立場が変われば入れ替わるもんだ。そしてそいつは男より残虐と来ている」
「残虐なのか」
「まるで阿修羅だ」
「何それ?」
「或る惑星(ほし)に伝わる神様の一種だ」
「理由があるんだね。残虐になった」







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【偽書】夏娘跳ねる 『蹴球同盟・乙女系』(夏娘2014) 23

2018-10-22 14:21:10 | 【偽書】シリーズ
「私達、サッカー部のマネージャーなのよ。そこの玄鳥(つばめ)さんとのバスケ対決も、隣のサッカーグラウンド側から眺めてたわ。今からサッカーグラウンドを走る気は無いけれど、あのロングフィードを蹴る虹見さんを純粋にグラウンドで見てみたいな〜って」
はあはあ、あの芦田さんが入部したサッカー部の先輩マネージャーさんか…。
「それに今年入部してきたマネージャーの芦田さんがね、あなた達の事を時々話してたしね」
あら。なら名前くらい貸してくれても…。
「あの子は無理よ。巧君にお熱だからね。元々陸上部なのにサッカー部のマネージャーをするなんて、恋のモチベーションが無くては無理よね」
「やはりそうなんですね」
「芦田さんはこれから大事なマネージャーになる子だし、私達なら三年生だから名前を貸しても実質夏場までだしね」
「それまでに頑張って部員を増やします。ありがとうございます」
始ちゃんが二人に深々と頭を下げるのに合わせて、私と至(いたり)も頭を下げる。

「ほら、名簿を貸して頂戴。ここで署名するから」
二人の三年生が、私達の為に入部してくれた。
再度頭を下げて感激しながら一旦教室へ戻る。


教室には今名前の出ていた芦田さんがこちらを見ていた。


「マネージャー達に名前書いて貰えた?」
「ありがとう。芦田さん。で、どう?一緒にサッカーやらない?」
始ちゃん。だから芦田さんはサッカーがしたいんじゃなくて、恋がしたい…ん?サッカー部の恋人が欲しい?とにかく女子サッカーには興味無いのよ。
「メリット無いからお断り」
「じゃあ勝負しようよ。走って私が芦田さんに勝ったら…」
芦田さんは手を広げて始ちゃんの言葉を 遮り言う。
「負ける気しないけど、勝負もしない。意味無いし」
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二人のやり取りを見ていた至(いたり)が言う。
「どう言う事?私が振られるとでも言うの!」
「いや、気に障ったらゴメンよ。でも恋は一方通行じゃあ成り立たないからさ」
「私が振られるなんて事は有り得ないから」
凄い自信家。少し羨ましいかも…。
「ならさ、なら競走は取り消すから賭けをしようよ」
「賭け?」







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