「案外女子校だから、レズの気あるかもな」
ありません!まあ、亨留(みちる)は…。
「それにしても、真冬の停電とは。古い洋館に似合い過ぎてるぞ。我々ミス研の出番かもな。事件の匂いがする」
「おいおい。ミステリー小説の読み過ぎだぞ。名探偵を気取るのも程々にしとけよ。あくまで宝探しが本題なんだ」
「それなら大丈夫だろ。周りはあまりその手の謎解きが得意そうじゃ無かったし」
「あの男二人組は要注意だ。へんに目つきが鋭い時があったぞ」
「警察の極秘捜査とか」
「だからミステリー小説の読み過ぎだってば。何で警察がお遊びの宝探しを。本物の財宝じゃないんだぞ。ミステリーツアーの遊びなんだから」
「迷宮入りになった過去の殺人事件を追っている、とか」
「秘密捜査はあり得るな」
「本当に警官ならな。可能性は低いと思うが」
男子大学生達はあれこれと盛り上がっている。まあ私達の話題から逸れてくれた方がありがたいかも。
「もしや皆川様?」
「ああ。執事さんか。こんばんは」
「何か探し物でも?」
「部屋に居る姫がお腹が空いたって言い出してね」
「錦野様ですね」
「パンの残りとか無いかな?」
「そうですか。厨房を覗いてみましょう。いらっしゃいますか?」
ランタンの灯りを頼りに歩き出す執事さんの後を付いて行く月子。
「本当に暗闇でも夜目が効くのですね。皆川様は」
「うん。狼男みたいなもんだよ」
「あいにくの嵐の夜で月は見えませんが」
「私のは狼男みたく月が見えるかどうかじゃなくて、月齢が何日かだけだから」
「昼間のお姿からは想像出来ませんね」
「特異体質…って言って信じて貰えるのかな」
「勿論ですよ。私はこの目で見たものしか信じません」
「現実主義なんだね」
「はい」
執事さんは真っ暗な厨房の中に入って行く。
「さて。こう暗くては…」
「右に棚があるね。あの袋はパンじゃないね」
月子に言われて右側をランタンで照らす執事さん。
「これは違いますね」
「まどろっこしいな。勝手に光らせてもらっていいかな?」
月子が身体を発光させ、厨房は真昼の様に明るくなる。
「先程も驚かなかった訳ではありませんが、こうして暗闇で発光する様を見ては、驚かずにはいられませんね」
執事さんは眩しそうに目を細めながら辺りを見渡す。
「クッキーの箱なら有りますが、お持ちになりますか」
ブログへお立ち寄りの皆様へ
gooのフューチャフォンアクセス終了に伴い、gooブログ 各【偽書】シリーズへの投稿を終了する事と致しました。
他SNSへの投稿は継続しております。
ストーリーに引き続きご興味がございましたら、〔検索ワード【偽書】 〕などで検索頂けましたなら幸いです。
筆者敬白
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「それにしても、真冬の停電とは。古い洋館に似合い過ぎてるぞ。我々ミス研の出番かもな。事件の匂いがする」
「おいおい。ミステリー小説の読み過ぎだぞ。名探偵を気取るのも程々にしとけよ。あくまで宝探しが本題なんだ」
「それなら大丈夫だろ。周りはあまりその手の謎解きが得意そうじゃ無かったし」
「あの男二人組は要注意だ。へんに目つきが鋭い時があったぞ」
「警察の極秘捜査とか」
「だからミステリー小説の読み過ぎだってば。何で警察がお遊びの宝探しを。本物の財宝じゃないんだぞ。ミステリーツアーの遊びなんだから」
「迷宮入りになった過去の殺人事件を追っている、とか」
「秘密捜査はあり得るな」
「本当に警官ならな。可能性は低いと思うが」
男子大学生達はあれこれと盛り上がっている。まあ私達の話題から逸れてくれた方がありがたいかも。
「もしや皆川様?」
「ああ。執事さんか。こんばんは」
「何か探し物でも?」
「部屋に居る姫がお腹が空いたって言い出してね」
「錦野様ですね」
「パンの残りとか無いかな?」
「そうですか。厨房を覗いてみましょう。いらっしゃいますか?」
ランタンの灯りを頼りに歩き出す執事さんの後を付いて行く月子。
「本当に暗闇でも夜目が効くのですね。皆川様は」
「うん。狼男みたいなもんだよ」
「あいにくの嵐の夜で月は見えませんが」
「私のは狼男みたく月が見えるかどうかじゃなくて、月齢が何日かだけだから」
「昼間のお姿からは想像出来ませんね」
「特異体質…って言って信じて貰えるのかな」
「勿論ですよ。私はこの目で見たものしか信じません」
「現実主義なんだね」
「はい」
執事さんは真っ暗な厨房の中に入って行く。
「さて。こう暗くては…」
「右に棚があるね。あの袋はパンじゃないね」
月子に言われて右側をランタンで照らす執事さん。
「これは違いますね」
「まどろっこしいな。勝手に光らせてもらっていいかな?」
月子が身体を発光させ、厨房は真昼の様に明るくなる。
「先程も驚かなかった訳ではありませんが、こうして暗闇で発光する様を見ては、驚かずにはいられませんね」
執事さんは眩しそうに目を細めながら辺りを見渡す。
「クッキーの箱なら有りますが、お持ちになりますか」
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筆者敬白