その人物は、私達が良く知る人物だった。
私達はつい十日程前にも顔を合わせている。
私達の学園で、入学して直ぐに例の曰く付きのアレを着る事になった異能の同級生。
性格や態度はクールにしてウォーム、決してモデルさんみたいな超美人て訳じゃないけれど、そんじょそこらのギャルよりは可愛い横顔をした同級生。
同性からも惚れられる溢れる正義感と行動力、ピンチでも動じない精神力。
だけど人一倍狭義心に溢れた人物を、私やサカエが見間違う訳が無い。
なんでこんな所で嬉しそうに大根を満載した配送トラックの助手席に収まっているのよ?
ミソカ…我がクラスメート、師走未宗加が…。
「ねえ、ミソカって、実家鹿児島だっけ?」
「分かんないよ。ユウカが島根って事くらいしか」
「ユウカは出雲の巫女だからともかく、ミソカと鹿児島って何だかイマイチつながらないわ~」
「ブンちゃんに聞けば分かるかも」
クラス、いえ、学園一のパソコン少女、文月樹蕾ならもしかしたら。
私はブンちゃんに電話をかけてみるが、残念ながら応答は無い。仕方なくメールで、“あけおめ~急で悪いんだけど、ミソカって鹿児島出身だっけ?”と送信しておく。
「ブンは電話にもメールも反応無し?トイレかな?」
「まさか~サカエじゃあるまいし」
「何でだよ~ならみんなはトイレでも電話に出たりメール返信すんの?」
「冗談よ、冗談」
「あっ?まさかチェリーはトイレでも電話に出るんだな?きっとそうだ」
「やめてよ!な訳無いじゃないの」
「いや、きっとそうだ。チェリーの携帯エンガチョ!」
いつの時代のどこの言葉よ、それ。
“はいはいあけおめ~!返信遅れてゴメンよ~。ちょっと講習会に出てるんで直ぐにパソコン触れなくて。ところでミソカの件だけど生まれも実家も鹿児島じゃないよ。もしかしてチェリー鹿児島に居るの?多分サカエも一緒かな?メイの居る宮崎に向かってるのね。メイに宜しくね~。因みに前歯の可愛い例の野球選手の出身県だからもしかしてユキちゃんはそばに居ない~?”
by樹蕾
「…だって」
ブンちゃんは相変わらず早耳ね。
「実家じゃないなら、今の隣の人はもしかしてミソカの想い人?」
せめて恋人とか言いなさいよ。
「でも、かなり年上みたいだったような」
「同年代の男じゃ物足りないんだろ~ミソカクラスになると、ガキ過ぎて」
私達はつい十日程前にも顔を合わせている。
私達の学園で、入学して直ぐに例の曰く付きのアレを着る事になった異能の同級生。
性格や態度はクールにしてウォーム、決してモデルさんみたいな超美人て訳じゃないけれど、そんじょそこらのギャルよりは可愛い横顔をした同級生。
同性からも惚れられる溢れる正義感と行動力、ピンチでも動じない精神力。
だけど人一倍狭義心に溢れた人物を、私やサカエが見間違う訳が無い。
なんでこんな所で嬉しそうに大根を満載した配送トラックの助手席に収まっているのよ?
ミソカ…我がクラスメート、師走未宗加が…。
「ねえ、ミソカって、実家鹿児島だっけ?」
「分かんないよ。ユウカが島根って事くらいしか」
「ユウカは出雲の巫女だからともかく、ミソカと鹿児島って何だかイマイチつながらないわ~」
「ブンちゃんに聞けば分かるかも」
クラス、いえ、学園一のパソコン少女、文月樹蕾ならもしかしたら。
私はブンちゃんに電話をかけてみるが、残念ながら応答は無い。仕方なくメールで、“あけおめ~急で悪いんだけど、ミソカって鹿児島出身だっけ?”と送信しておく。
「ブンは電話にもメールも反応無し?トイレかな?」
「まさか~サカエじゃあるまいし」
「何でだよ~ならみんなはトイレでも電話に出たりメール返信すんの?」
「冗談よ、冗談」
「あっ?まさかチェリーはトイレでも電話に出るんだな?きっとそうだ」
「やめてよ!な訳無いじゃないの」
「いや、きっとそうだ。チェリーの携帯エンガチョ!」
いつの時代のどこの言葉よ、それ。
“はいはいあけおめ~!返信遅れてゴメンよ~。ちょっと講習会に出てるんで直ぐにパソコン触れなくて。ところでミソカの件だけど生まれも実家も鹿児島じゃないよ。もしかしてチェリー鹿児島に居るの?多分サカエも一緒かな?メイの居る宮崎に向かってるのね。メイに宜しくね~。因みに前歯の可愛い例の野球選手の出身県だからもしかしてユキちゃんはそばに居ない~?”
by樹蕾
「…だって」
ブンちゃんは相変わらず早耳ね。
「実家じゃないなら、今の隣の人はもしかしてミソカの想い人?」
せめて恋人とか言いなさいよ。
「でも、かなり年上みたいだったような」
「同年代の男じゃ物足りないんだろ~ミソカクラスになると、ガキ過ぎて」