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映画「ゲド戦記」

2006-08-22 23:06:08 | 映画
2006年7月29日公開
ジャンル:アニメ
製作年:2006年
製作国:日本
配給:東宝
原作:アーシュラ・K.ル=グウィン
監督:宮崎吾朗
音楽:寺嶋民哉
声の出演:岡田准一/菅原文太
手嶌葵/田中裕子/香川照之

この夏のアニメ話題作と言えば「ゲド戦記」「ブレイブ・ストーリー」「時をかける少女」。軍配は「時かけ」に上がったようです(どの批評も絶賛!見たいけど、大阪ではすでに一日二回上映になっているの~/涙)。
しかし何より話題が先行したのは、宮崎駿の長男・五朗氏の監督デビュー作ということで、話題を呼んだ世界三大ファンタジーで映画化されていなかった最後の一つであるル=グウィン原作の「ゲド戦記」。
宮崎駿監督が映画化を夢見ていた作品ということで、なんで息子が!?との思いがあり話題ばかりが先行するのも心配でした。だから珍しく前売券まで買ってたのに今頃まで見に行く勇気がなかった。
で、ようやく見に行けたワケですが。
思っていたよりも良くできていました!映画単体としては長い作品をまとめた説明不足はあるけれど、これが五朗さんの監督デビュー作なら、今後がすごく楽しみじゃない?と。
映画はゲド戦記の第3作目をクローズアップしてあって父王を殺してしまいそんな自分の影に怯えるエンラッドの王子・アレンの成長物語となっているので、肝心の大賢人ゲド(ハイタカ)の活躍は「原作を読め!」と言わんばかりに小出しです。セリフの端々とかにチラッと。しかしこの小出しにされるのが却って良かったというか。菅原文太のハイタカが渋くて素敵で、初め岡田アレンを目当てに行ったはずなのに、結局ずっとハイタカに惚れ惚れしてました。だから過去が小出しにされると、いったいこの人はどんな人生を生きて来たんだろうと気になって気になって。大賢人なのに農作業とか手伝っちゃったり、うなされるアレンを心配したり、何気ない仕草になんだこの格好いいおっさんは!!といちいち思わされてました(笑)。魔法を使って大活躍、なんて全然しないのもまた、自分で自分に立ち向かうしかないアレンのため、とも取れるような包容力ある態度。めちゃめちゃイイ男なんですけど!しかもテナーとの関係も気になる・・・アチュアンの墓所での過去とか。テナーとハイタカの微妙な関係がはっきり言ってアレンとテルーより気になりましたよ。クモに「大賢人が女の元に通うとは」とか言われるのがまた(笑)。この二人の元々の話も知りたい。
アレンは殴られるは繋がれるは悪夢にうなされるは、ヒロイン要素満載(笑)。でも彼の心の弱さはすごく共感してしまった。「死ぬなら生きている意味があるのか」って、誰でも通る道ですよねー。私は未だにそこら辺でうろうろしてるけど。
「生きること」の本当の意味が解らなくなった現代への問いとしては、すごくストレートで真正面からの問いかけだなあと思います。テルーやハイタカのセリフをよく噛み締めたい。
光であったアレンの心が影となり、ただ身体を追うしかなくなったとテルーに告白するシーンはすごく好きです。「父さん・・・」と言いながら剣を撫でるアレンが、お父さんのこと好きだったんだなーと。
テルーの唄のくだりで全部唄い切るのは冗長だったと思うけど、全体の演出は初初しく悪くはなかったと思います。
出来る事なら、ハイタカの話を是非このキャストで描いて欲しいくらいなのですが・・・。まずは原作を手にとってみたいと思います。そのうち。五朗監督が言いたかったのは、「原作すごく良いの!だから映画見たら読んで!」ってことじゃないかと(笑)。
挿入歌が谷山浩子で主題歌が新居昭乃ときたら、良いに決まってますね!「ゲド戦記歌集」欲しい~。「テルーの唄」ばかり話題になってますが「時の歌」もすごく良いですよね。そして作曲の寺嶋民哉さん大好き!「半落ち」の作曲って言ったらわかるでしょうか。私の中では「イグアナの娘」(1996年テレビ朝日)なんですけどね。
そんなわけで、ゲドにしてやられちゃった私の「ゲド戦記」観賞でした。

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