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非常停止ボタン

2005-10-10 12:34:34 | 雑記
非常停止ボタンがどこにあるかくらいは、知っておかないといけないなと思いました。

10秒が生死を分けるという話。

先日、自宅最寄り駅のホームに上がると、向かいの線路に男性が入り込んでいました。ホームにいる人達も混乱した様子で息をのんで見守るのみ。
そこへ、線路の向こうに電車の姿が。
私はとっさに非常停止ボタンのことを思い出したのですが、どこにあるのか、どう使うのかがわからず、走り掛けて固まってしまいました。
そばにいた男性が「電車来るで!!はよのけ!!」と叫ぶのですが、線路上の男性は逃げる様子もなく突っ立っています。
もう本当に危険だ!と思った瞬間、向かいのホームの男性が二人、男性の元に走り寄り、ホームから線路上の男性をひっぱりあげました。
男性のつま先までホーム上にひっぱりあげられたその約10秒後、急ブレーキを掛けながら電車が侵入してきました。
その数十秒、ホームにいた人達の時間が緊張で止まったかと思うほどの緊迫感でした・・・。
私はしばらく、息をするのも忘れていて、その後は心臓のバクバクが止まりませんでした。

助かって、良かった・・・・・!!

真っ昼間の出来事でした。

でも、本当にいろいろ考えさせられました。

とっさには人は動けないということ。
向かいのホームの出来事に、こちら側は何ができるのかと言うこと。

(もし、向かいのホームに人がいなかったら?)
(もし、向かいのホームの人がだれもひっぱりあげようとしなかったら?)

こちら側で出来ることといえば、多くはありません。
だからこそ、非常停止ボタンの場所と使い方くらいは、日常的に気に掛けているべきなのだと痛感しました。
ただそれだけでも、命を救うことが出来るかもしれないのです。

そして、自分がそのホームにいたとしたら。
自分は、人を救うために動けるのかどうかということ。

(もし、誰もが誰かがすることを期待して動かなかったら?)
(もし、線路上の男性がホームから手の届かない所にいたら?)
(もし、線路上の男性が引っ張り上げる際、抵抗していたら?)

男性を救ったホームの人も、きっととっさに体が動いたのだろうと思います。彼らが動かなかったら、誰も線路の男性を救えずに、ただ人が一人死ぬのを見ていたでしょう。
自分がやるしかない、とそう思ったかどうかはわかりませんが、彼らは動いた。
それは本当に素晴らしい行動でした。
もし、線路の男性が引っ張り上げられるのを嫌がって抵抗したら、彼らは事故に巻き込まれたかもしれません。
それを考えた上で動いたのか、いいえ、そうとは思えません。
ただ、とっさに自分がやるしかないと思ったのではないでしょうか。

どうしてその男性が線路に入り込んだのかはわかりません。
死にたかったのか、どうか。
でも、男性は抵抗せずに引っ張り上げられました。
救う命と救われる命、どちらがより大切かは比べられませんが、彼らの行動が最良の結果になったことを神に感謝します。

人を救うということに、理屈はないのだと。

結局、叫ぶことも出来ず、ボタンを押すことも出来なかった私には、課題がたくさん与えられました。
それを、ひとつひとつ、考えて行きたいと思います。

ただ、いちばん簡単に人を救える方法、非常停止ボタンという赤いボタンひとつ、知っておくことは大切なことだと思います。

駅のホームを見渡して、どこにあるか探してみて下さい。
コメント (4)
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