Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

折り鶴

2006年05月31日 23時53分07秒 | ヒロシマ
お好み焼き店で折り鶴 待ち時間活用 気軽に平和運動
                  (中国新聞 2006年5月30日朝刊)

 お好み焼きが焼き上がるまでの間に、折り紙で鶴を折ろうという
取り組みが、広島市や周辺のお好み焼き店でじわりと広がって
いる。気負わず誰でも参加できる平和運動、広島名瀬ではの風景
になればと、仕掛け人らは協力店を募っている。
グループは「待っとる間に鶴折る会ヒロシマ」。発案者の団体職員
豊久芳光さん(41)=安佐南区緑井=と職場仲間ら4人でつくる。
7月から8月頭までに協力店に折り紙と箱を置いてもらい、8月6日
までに回収して中区の平和記念公園にささげる。
 始まりは9年前。「広島といえばお好み焼き。そして原爆。2つを
結びつけて何かできないかな」と豊久さんは考えた。なじみの店
「さいとう」(廿日市市友田)にアイデアを打ち明けると「ええよ」の
返事。すぐに「折り鶴セット」を置かせてもらった。
 「おなかをすかせた若い子が一生懸命折ってくれるんよ。それ
見て、これから先も日本は大丈夫じゃねと思います」と同店の斉藤
逸子さん(58)。6年間は「さいとう」だけの活動だった。ここ数年で
仲間が増え、6店に広がった。安佐北区口田南の「かくれ家」では、
一年中「折り鶴セット」を置いている。
 豊久さんは伯父を原爆で失った。その最期の様子を、亡き祖母は
繰り返し語った。大やけどし水をくれという息子。飲ませたら死んで
しまった-。祖母の深い悲しみに触れてきた。
 「中心部の店でも取り組んでもらえたら、修学旅行生や観光客も
参加できる。少しずつ広がっていけば」と豊久さん。回収の人手が
ないため、各店で平和記念公園にささげてもらいたいと願う。
ホームページも開いた。 http://www.abz.jp/~tone/m.html


私がこの話を知ったのは先月、仕事へ上関に行った日にラジオで
紹介されているのを聞いてでした。紹介していたのは、永六輔。
あの方の見識の高さ・広さにはほとほと感心してますが、同時に、
地元民で平和運動にも関心を持ちながら、この取り組みを知らな
かった自分の不明を恥じました。

子どもの頃は何度か、平和祈念の鶴を折りました。小学校の修学
旅行で長崎に行った時には、友人にも協力してもらって折った鶴を
平和祈念像にささげました。でもその後は、そういう機会はなくなり
ました。
大学生の時に沖縄に行った時、反基地闘争をしている牧師から、
「鶴を折るだけでは平和にならない」と言われ、以来鶴を折ることを
避けるように(多少軽蔑するようにも)なりました。
広島の平和記念公園の折り鶴の永久保存計画を秋葉市長が打ち
出した時も、折り鶴が焼かれる事件が起きた時も、どうでもよくは
ないけど、本質的な問題ではないような気がしていました。
でも昨年、被爆60年の様々な企画を見聞きし、8月6日を家族で
平和記念公園で過ごしてみて、平和に取り組む入り口・きっかけと
その先の問題は別だという当たり前のことに気づかされました。
ヒロシマを知り、心を込めて鶴を折ることも大切。その上で、さらに
次の段階へと導くことも大切。心の無い運動は失敗します。心だけ
では世の中動かせないかも知れないけれど、だからといって心を
否定してはいけないのですね。