Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

上関

2006年04月27日 23時50分15秒 | 時事・社会
昨日は上関町に行きました。
上関といえば原発、と私の頭にインプットされたのは、大学に入ってから
です。福岡では原発といえば、佐賀の玄海原発で、よそのことまで目が
届きませんでした。
上関と聞いて、下関の近くかな?なんて勝手に思い込んでもいました。
車に乗るようになって道路地図を買って、実は広島に近いのに気づいて
大変驚きました。直線距離だと60kmほどでしょうか。しかも周防大島を
越えたら、ずっと海。万一大事故が起きたら・・・と考えるとぞっとします。
元々は船の荷を検査する番所の一つ「上関」があったことからその名が
付いたそうで、歴史資料館もあります。
周辺の柳井市や平生町にも遺跡・古墳が多くあります。今は少々寂れ
てますが、歴史の古い地域のようです。

原発建設計画が明るみに出たのが1981年。以降、町は賛成・反対両
派に二分され、激しい争いが繰り広げられてきました。町長選、町議会
選とも、反対派が勝ったことはないのですが、数の力でごり押しもでき
ず、計画も遅れに遅れて、町民はうんざりしています。
建設予定地にある神社の神職解任・移転問題や、入会権・漁業権を
めぐる訴訟ももつれていますし、中電の不正行為で工事がストップした
こともありました。環境への影響も議論が続いています。

何故そうまでして、原発の新規建設にこだわるのでしょうか。
原発は「安定」「安価」「安全」「クリーン」などというのは、全てでたらめ
です。コントロールができず、有害物質を大量に生産する、危険極まり
ないものだから、科学の粋を集めて「安全」を確保しようと腐心している
に過ぎません。安いのは、いびつなエネルギー政策と電力会社の策略
の結果です。
国の補助金に依存する地方を批判する声もありますが、地方が国から
の補助金に依存しなければならない財政構造、そして補助金をえさに
地方に押し付ける国の姿勢こそが問題です。
そういえば、今年度中にプルサーマル計画に同意した都道府県には、
新たな補助金が下りるそうで。おかげで島根県が今、補助金目当てに
大急ぎで手続きを進めていて、市民の理解を得るために慎重に議論を
重ねたい松江市との間で、ひと悶着起こりそうな気配です。

上関の場合、少子高齢化で漁業が続けられなくなってきて、海はもう
どうなってもいい、という感覚が賛成派の人々にあるのではないかと
感じてしまいます。原発なんかができても若者は寄り付かないという
ことまでは考えてないのではないでしょうか。
この問題に限りませんが、地方の良さは何か?という視点がいつも
欠けているんですよね。日本中が都会になんてなれっこないんです。
必ず、地方が、田舎が、どこかにある。その良さを引き出すことを考え
ないといけません。
寂れた町は、知恵と努力で再生できますが、失われた自然は元には
戻らない。他に何も無いような所の美しい自然は、守ってほしいな。
私、瀬戸内の海や島々が大好きだから。

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