私は悲しい場面で、涙を流そうとはしない。まず悲しむ。そして堪える。さすれば涙は体の芯より湧き出る。人によってその手法は様々だが、私は感情が「そうなる」ようにすればいいと思う。そのために何が必要かはケースバイケース。「その時」までを丁寧に積み重ねることが肝要。そうして耐える、堪える。悲しみはこらえることが必要。悲しみは受け入れ難いものなのだろう。だから受け入れてしまえば、もう泣くしかないのだ。そして解放される。カタルシスだ。舞台の人間が先に解放されてはいけない。観客との根競べだ。たまにしっかり捉まえている確信があるときに、涙が先行することはある。舞台は物語が連続しているからそういうことができる。映像はそうはいかないかも。アプローチが変わるだろうな。それもこれも台本(ほん)が読めてこそ。 ・・・励まねば。
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