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神原ワールド稽古場日誌

神原ワールドが繰りひろげる劇の世界・公演のお知らせ・稽古場の模様を皆様にお届けします♡

雲のジュウザ

2015-12-10 17:17:58 | 日記


 防具をつけていたら隙が生じると自ら防具を壊し最強のラオウと対峙する五車星の一人雲のジュウザ。おなじみ「北斗の拳」の1シーンです。
 
 人は自分がどう見られているかを気にします。どう見せるかにも腐心します。見てくれ、ファッション、立場、地位など。
 演劇は権威の対極にあると思います。表現の自由は権威とは相容れない関係だと。だから俳優である自分がどうあるかは、あるがままというのが自然ではないかと思います。舞台の上では変幻自在ですが、一俳優としてはそのままの「私」でよいと。

 私は、自分をあまり飾りません。ですから人格が出ます。どっちかと言うとむき出しです。それはとても怖いことです。不安もあります。しかし、どう見られようとそれ以上でもなければそれ以下でもない在り方というのは理想なのです。そんな私が舞台で何にでも成れるという可能性が面白いのです。どんなに怖くても裸の自分を常に意識できるから、余計な不安もなく思いっきり自分が出せるのです。自分を守る唯一の防具を壊し、最強最大の相手に挑むジュウザのように。

 かの蜷川幸雄でさえ私たちには権威ではないのです。敬意の対象ではありますが、決してつき従うものではなく競い合う相手なのです。全ての先輩俳優は自分とは地続きの存在だと考えております。いつか追い越す日を胸に、その背中を追っております。死ぬまで競っているのです。例え相手が私を知らなくても、いつか対峙する日が来るやも知れません。その時、少しも物怖じせず挑める自分で在りたいものです。

コメント
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