長崎ぺんぎん日和

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天皇杯 2回戦 V·ファーレン長崎 - 鹿児島ユナイテッドFC マッチレポ

2022-06-03 21:00:00 | V・ファーレン/ヴィヴィくん

6月1日。天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会2回戦 V·ファーレン長崎と鹿児島ユナイテッドFCの試合がトランスコスモススタジアム長崎で開催され、22奥田晃也の得点を守り切り、1-0で長崎が勝利。3回戦進出を決めました。



スタメンとフォーメーション。
天皇杯も重要な大会とはいえ、両者共にリーグ戦のメンバーからは大幅に入れ替え、チームの底上げと結果の両立を狙います。我々サポーターにとっても、リーグ戦であまり見られないメンバーを見る機会。

長崎は17秋野が1年余りの長期離脱から復帰し、新加入のCB39カイケもベンチ入り。スタメンには34五月田と35安部のアカデミー出身選手が名を連ねました。

ユースサポーターの私にとってはメインの部分ですね。



【前半】
~先制と長崎の前進パターン~

前半31分、長崎が35安部の左足スルーパスを裏に抜けた22奥田が左足で決めて1-0。
右サイドから左に展開し、左ハーフスペースにいた35安部が2タッチ目でスルーパスし、22奥田が裏に抜けるタイミングとドンピシャリでした。

長崎としては、2トップが相手DFを背負いながらボールを収めるタイプではないため鹿児島のプレッシャーをどのように掻い潜って前進し、リーグ戦でもなかなか点が奪えない状況に答えを導き出せるかというところに注目していましたが、前進のパターンはそれなりにありました。



左が長崎の攻撃方向。
鹿児島は4-2-3-1でプレッシング。1トップの19山本がどちらかのサイドに追い込み、20圓道は長崎のボランチを見て、SHとSBはそれぞれ対面の選手を見る形。これでサイドに追い込まれてハマってしまうと前進出来ずに奪われてカウンターのピンチを招きますが、長崎は掻い潜るパターンがいくつかありました。

①個の力。右は32イバルボ、左にはカイオが流れてきたりして、キープ力を生かしてプレスを外す。
②ダイレクトパス。右は5奥井と32イバルボ、左は28高橋と35安部の縦の関係でダイレクトのパス交換から相手の裏を取る。
③18山﨑が後ろに下りてきて受ける。これをすると相手はマーカーが付いて来れないため、起点にすることが出来ます。

ここから高い位置でキープ出来れば、スペースのある逆サイドに展開して、そこから縦に仕掛けるという形。得点もそういう流れから生まれました。

これで何が言いたいかというと、このメンバーでも前進のパターンは練習である程度はしっかり落とし込まれているということ。今後試合で前進が上手くいかなければ、自分たちが原因にしろ、相手の強度が原因にしろ、練習でやっていることが出せていないと見ることが出来そう。


ただ、この試合の前半に関しては、鹿児島の守備の強度もややなかったかもしれません。J3首位の鹿児島とはいえ、メンバーが入れ替わっていることと、J2とJ3の差は多少なりともあったのではないかと。

また、長崎は前進してポケットを取るまでは出来ていたものの、シュートまでの形に課題を残しました。




















【後半】
~鹿児島の攻撃に耐えながら、メンバー入れ替え~

後半、強度が上がった鹿児島がボールを持つ時間が増え、長崎はカウンターが増えました。
鹿児島も前進するパターンは豊富で、14野嶽が最終ラインに落ちて、サイドバックが中盤の内側に位置するなどの形を見せ、前進したら長崎のハーフスペースを攻略。ただ、ペナルティエリアへの侵入の回数は多かったものの、最後のところでは長崎もやらせず。横幅をいっぱい使って長崎の守備ブロックを揺さぶってくる弱点を突いてくるような攻略は見られず、シュートは最終的に4本に抑えることが出来ました。

長崎は17秋野と39カイケも投入。
17秋野に対しては会場から割れんばかりの拍手。プレーも危なげなかったと思います。
39カイケに関しては周囲との連携ミスが見られましたが、高さは圧倒的で、足下の技術もそれなりに見せてくれました。

長崎は途中から32イバルボを1トップにした4-2-3-1をテスト。あのキープ力はやはりFWでも生かせればという松田浩監督の考えでしょうか。
32イバルボを起点にカウンターもそれなりに機能はしていたと思います。ただ、前半と同じようにシュートまでの形が課題なのは変わらず。


結局お互いに力を出せた部分と課題と、両方の姿を見せつつゲームは1-0で終了となりました。



あとがき
長崎サポーターの目線からすれば、この試合のメンバーがどれだけリーグ戦に絡んでくるかというのが気になるところ。しかし、少なくとも直近のリーグ戦に対してドラスティックな変化を与えるものはなさそう。リーグ戦でも前進とシュートまでの形の精度をどれだけ上げられるかというのは変わらない気がします。
17秋野はコンディション次第でしょうか。

最後に、アカデミー出身の2人について。34五月田も35安部も本職とは違うポジションをやっていたので、それをどう捉えたらいいのかわかりませんが、共にフル出場で34五月田はCBとして無失点。35安部は決勝ゴールをアシストで結果には繋がったので、ひとまず良かったと思います。ミスもありましたが、いい経験にしてほしいと思います。

鹿児島についてはいいサッカーをしていたので、リーグ戦もちょっと見てみたくなりました。

(選手敬称略)