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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

アイダよ、何処へ?

2022-03-30 17:28:28 | 洋画
実話を基にした作品
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期の1995年、国連PKO軍の中立地帯だった東部ボスニアの町スレプレニツァで起きた町民8000人のジェノサイドの全貌を
当時国連の通訳として働いてアイダの目を通して語られる作品。
いや、実に重たい作品だったし
この紛争はある意味民族同士での潰し合いですから
って言うほとんど歴史的には知りませんが、民族間の紛争って昔から根強い因縁因果が起因してるので、東洋のある意味単一民族と言える島国の人間にはわからない部分が多い
 
そしてその因果関係は映画では語られずに、国連臨時職員として通訳として雇用されたアイダが、突然セルビア人の侵攻によって陥落したスレブレニツァの2万人以上にもおよぶ市民が国連PKO陣営になだれ込んで来ての
彼女の夫と二人の息子を必死になって匿う姿を描いていくだけですが
この隠匿行為にかなりの緊張感を強いられる作品
ここいらは事実が持ってる強みなのでしょうね

そんな家族のいのちを助けようとするものの
国連軍のPKOの兵士の無能ぶりっていうか、国連軍と言いつつ武器は持てるものの
身を守るだけに使用可能ですから、目の前で民間人が拉致されて行くのを指を加えて見てるだけって言うのも歯痒いですね
 
この時期に見ると、現実のって今戦争っていうか侵略されてるウクライナの戦争とかぶって見える
まぁウクライナは自国民へのジェノサイドは行ってないと見るのが妥当でしょうが
侵攻してる側はジェノサイドを止める正当行為等と言ってはばからないし
避難民をいったいどこに連れて行ってどう処理するんだろうって思わされる
とにかく紛争や戦争は勝ったモンの言い勝ちですからねぇ
大量に虐殺しても勝てば官軍なんですよね
人は狂気と化してしまうと、人を人とも思えなくなってしまうのだということを
実に戦闘シーンも虐殺シーンも見せず、きっちりと観客の脳内で見せてくれてる作品
 
戦後1人生き残ったアイダに戦争の悲惨さえ投影させている
ある意味この映画は私にとっても時機的に今見るべき作品だったのは間違いなかった
アルバトロスもたまにはこんな問題作を輸入するのね
 
2020年製作、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ・オーストリア・ルーマニア・オランダ・ドイツ・ポーランド・フランス・ノルウェー・トルコ合作映画
ヤスミラ・ジュバニッチ脚本・監督作品
出演:ヤスナ・ジュリチッチ、イズディン・バイロヴィッチ、ボリス・レアー、ディノ・バイロヴィッチ、ヨハン・ヘルデンベルグ/レイモント・ティリ、ボリス・イサコヴィッチ、エミール・ハジハフィズベゴヴィッチ、エディタ・マロヴチッチ
 

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