マクドナルドが新商品の販売にいわゆる”サクラ”を大量増員して販売していたとの疑惑が上がり問題になっている。
マクドナルドは市場調査が目的だと、”サクラ”については否定している様だが、明らかにサクラでしょう。
今回の様に雇った人間に行列を作らせて人気商品を装う手法や、小売時の”誇大”表示の問題や販売手法は何もマクドナルドが始めた事では無い
深夜にやっているテレビ通販でも、商品紹介が終わって、価格と電話番号が出た瞬間に”申し込み殺到中”とテロップが流れたりするが、深夜の1時にコールセンターがてんてこ舞いになるほど電話が殺到する事は先ず少ないだろう。
インターネットの通販で有名になった和歌山のスイーツでも、普段1000円の商品を半額で限定して販売し、その時の行列写真を乗せ”行列の出来る”と表現しているが、勿論毎日行列が出来ているわけではない。
みかん販売数日本一なんて書いてネット通販している業者もあるが、下に小さい字で(当社調べ)とか(楽○市場調べ)等と書いているのも要注意で、あくまで自主検査だ。こんな事いちいち書き出したら枚挙に厭わない位あるのが現実で、底から考えればそんなに大きな問題では無いかもしれない。
私の判断基準はひとつ。行列の写真を載せているサイトや広告はきな臭いという事。実際にいつも行列を目にしているものは本物だろう。
この手の問題は本当にグレーな部分だけれど、でもやはり今回の問題はいくつかある。
先ず一つはそれを行なった会社が上場企業だった事。
そして業界一位の会社であった事だ。
個人商店レベルのところが何をどう書いても、社会的な影響は小さいだろうし、仮に被害者が出たとしても少人数だろう。被害者数や金額の多い少ないでも無いのだが、やはり影響の小さい所よりは大きい所から先ずは厳しくしなければならないのは当然である。
ましてや業界トップの会社が自ら行なっていれば、業界全体への不信にも繋がる。
次に新聞等のメディアを大きく動かした点。
おそらく販売時には企業から各社にプレスリリースを送ったはずだ。プレスリリースに送ってはいけない制限は無いと思う。新聞社やテレビ局に片っ端から流せばいいだけだ。
そのリリースを見て取材するかどうかは報道各社に委ねられている。勿論田舎の小さな会社が発信するリリースなど取り上げてくれないだろうが、発信者がファーストフード業界の雄マクドナルド社であれば、殆どの報道関係者は取材陣をよこすだろう事は想像に易い。
でも、こうした騙しの手法が横行しているのなら、あの時の・・・やあの日の・・・・と疑いたくなるのは当然だろう。一時はすごく流行したのにという事の中にもいくつかあったのでは無いだろうか。
こういった内容のグレーな販売方法は、本来は公正取引委員会が取り締まるべき案件だと思う。もうちょっとしっかり見て欲しいものだ。
しかし一番大切なのは販売者の”モラル”だろう。今回のマクドナルドの件だって、おそらく店の人達は知らなかったのでは無いだろうか。一部の経営幹部だけが知っていて、コンサルタントか企画会社と組んだのだろう。
企画会社=広告代理店のモラル低下も気になる。障害者郵便制度の悪用のニュースも記憶に新しい。テレビも何だか”やらせ”が多いし。
”貧すれば鈍する”の言葉の通り、これからも売上が落ち、景気が悪化するとモラルはどんどん低下するのでしょう。
結局は消費者の確かな目が必要で、この手の問題には、行列には惑わされない事が一番大切なのだろう。