夕焼け金魚 

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黒いアクセサリー

2017-08-14 | 創作
近くのショッピンクセンターに出かけたのです。
お盆で帰省客が多くいました。
書店で本を読んでいると、ズボンをツンツンと引っ張られたのです。
引っ張られた方を見ると女の子が私を見つめていました。
「おとうさん」と言うのです。
ちょっとびっくり、こんな可愛いこのお父さんになった覚えはないし、お父さんはもう無理でしょうと思っていたら、横から「すみません」と声をかけて女の人が子供を連れて行きました。
「お父さんは、あんなおじさんじゃないから」と言うのがチラッと聞こえました。
あんなおじさんは酷いじゃないですかと思ってみていたら、凄い二枚目の男のところに二人で歩いて行きました。
下から見るとあの男に見えるのかと思うと、悪い気がしませんでした。
男が見ても綺麗と思える男でした。
ちょっとどころか、凄くうらやましい。
私もあんな顔に生まれていたら、人生が変わっていたかも。
帰省客が多いせいか、子連れのお客様が多く見かけました。
そんななかでも一際白が眩しいミニスカートで颯爽と歩いている女の人を見かけました。
今時の女の人は、脚も長くて綺麗です。
ちょっと見続けていたら、白のミニスカートに黒い物がブラブラ付いているのです。
ミニスカートには不似合いな黒いアクセサリーだなと思って、その人に近づいていったのです。
脚が長くて、大股で歩くので速いのです。
エスカレータのあたりで立ち止まってくれたので、追いつくことができました。
エスカレーターを昇っていく女のミニスカートを見ているのですから、痴漢に間違えられそうです。
その女の白いミニスカートに付いている黒いアクセサリーを確認したとき、思わず「えっ」というのです声が出てしまいました。
年寄りが「えっ」なんて声を上げるのでみんなから注目されるのです。
上に着いて慌ててエスカレーターから降りて、もう一度上に昇っていく女のスカートを見ました。
やはり間違いなく黒いアクセサリーは手首だったのです。
スカートに黒い手首のアクセサリーは付けて歩かないでしょう。
あれはみんなには見えない物のようです。
小さな子がお母さんと手を繋げなくて、必死にスカートの端を握っていることがあります。
そんな感じなのです。
あの白いミニスカートの女は、きっと水子を顧みない人なのでしょう。
水子になった事情は色々あると思います。
病気の時もあれば、事故の時もあります。
でも、あの水子はお母様に顧みられなくて、必死に訴えているのでしょう。
お母さんに供養されている子は白く、供養されていない子は黒くなると言われています。
あの黒い水子がお母さんに顧みてと言っている間は大丈夫でしょうが、愛が恨みに変わることは希ではありません。
そうなると黒い水子は仲の良い親子にも災いを起こすことがあります。
帰省途中の事故がおおいのは、疲れだけでも無いと思います。
皆様も十分お気を付けてください。



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