夕焼け金魚 

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キャンプには虫除けも

2023-06-28 | 創作
キャンプが流行っています。
でも最初から山奥に行ってというのは初心者にはちょっとハードルが高い面もあります。
そこで街中で一度テントを張ったり、泊まってみてキャンプの雰囲気を楽しむ擬似キャンプ場があります。
これは高架下とかを利用して、急な雨でも大丈夫な空間で一泊してみるというキャンプ場です。
特にノリだけで行こうという女の子のグループは一度体験しておいた方が良いです。
金魚の街の河原にも、そんな擬似キャンプ場ができたのです。
街中に近いですから、便利なキャンプ場として人気になっています。
食料は近くのスーパーで買っていけば良いのですが、グループによってはデリバリーを取ると言うこともできます。
デリバリー取ってキャンプも無いと思いますけど、それでも十分楽しんでいるみたいです。
こんなキャンプ場では虫除けが必需品です。
キャンプの道具を持ち込む人達にも虫除けを忘れる人が多いのです。
「はい、これ虫除け用です」と言って小さな虫取り千光を渡します。
「おじさん、なんなのこの小さな豆電球みたいの」
「これはね、虫取り千光といって、このあたりにいると思われている虫が嫌う光線を出す機械なんです。これ灯しておくと虫が寄ってこないから」
「どんな虫にも効くの」
「ええ、このあたりにいると思われる虫には有効な光と音を出すものなので、このキャンプ場では使用料に含まれてますから、テントの中にでも灯して下さい」と言って渡しました。
女の子達はキャーキャー言ってキャンプを始めたのです。
一応、本日の予定人数に達したので、私も家に帰ることにしました。
町会の近くにできるというので、協力して欲しいと言われて役員が交代で受付とか、安全面の注意をしているのです。
女の子だけでこんな河原にキャンプして大丈夫かと思いますけどね。
そんな心配しているある日、深夜にけたたましくパトカーのサイレンが河原で起こったのです。
心配していたことが起こったようです。
慌ててサイレンが鳴り響いているテントの処まで行きました。
女の子が三人泣いていました。
「どうしたのですか」
「実は知らない男の人達に絡まれて、怖かったのです」
「それで、虫除け千光役に立ちましたか」
「ええ、凄く役立ちました」
「どんな状況になったのですか」
「知らない男の人達が寄ってきて、一緒にキャンプファイヤーしようと言われて、断ったのですけど色々絡まれてきて」
「その時、テントの中から誰か来たのって声がして、テントの中に男の人の影がでたの。それも腕に筋肉が盛り上がっている男の人の影。私達には男の人はいなかったのに。そうしたら、絡んでいた人達が急に大人しくはなったのだけど、その中の一人が出てこいとか急にいいだしたの」
「テントの中には誰もいないのだから、どうしようと思ったら、急にあのサイレンがなって、遠くから赤い点滅の光が近づいてくるように見えたの。」
「そうしたら、男の人達が慌てて逃げていって、怖くて泣いていたらおじさんが来たの」
「そうでしたか、虫除け千光が役にたったみたいですね」
「あれ、虫除け千光なの」
「ええ、街のダニ用も入っているので、効果あったみたいですね。街のダニ用というのも入っているとは聞いていたのですけど、ちょっとサイレンの音が大きすぎるみたいですね。そこはメーカーに言わないとダメですね」


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