セレンディピティ ダイアリー

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京のおばんざい処 六角や

2021年01月11日 | +京都

12月半ば、関西に出張した夫と合流して京都、奈良と旅行してきました。初日は仕事を早退して新幹線で京都に向かい、現地で仕事を終えた夫と6時すぎに京都駅で待合せ。ちょっと早めですが、まずは夕食をいただくことにしました。

向かったのは東本願寺に近い「京のおばんざい処 六角や 京都駅前店」です。京都は底冷えのする寒さとなっていましたが、駅から東本願寺まで地下道が続いているので快適でした。予約はしていませんでしたが、早い時間だったのですぐに席に案内していただきました。

まずは生ビールでお疲れ様の乾杯。朝 別々に家を出て、夕方にはもう京都で再会ってなんだか不思議な気分です。突き出しはししゃもの卵のわさび和え。初めていただくお味ですが、こりこりした食感の魚卵にわさびが効いて絶品でした。

最初におすすめ料理から3品。右奥は「万願寺唐辛子と赤こんにゃくの炊いたん」右手前は「秋刀魚の南蛮漬け」左は「おでん盛り合わせ」。寒かったこともあって、京風おでんが食べたかったので大満足でした。

こちらもおすすめ料理から「牛すじ味噌煮込み」。しみじみとした味わいでとてもおいしかったです。

店内の様子。まだお客さんが入ってこないうちにパチリ。お店は地下にあり手前がカウンター、奥がテーブル席となっていました。席は全て板敷で、入口で靴を脱いで入ります。

名前を忘れてしまいましたが、途中で日本酒に切り替えました。

こちらもおすすめ料理から「出し巻き」。京都に来たら是非食べたい一品です。おだしがじわ~っと染みて滋味深いお味でした。

「海老の湯葉巻き上げ」。梅肉のソースをつけていただきます。この辺りから私はもうおなかいっぱいで、お味見程度にいただきました。

「お魚と九条ネギの味噌バターホイル焼き」。お魚は鮭でした。

おいしいお料理においしいお酒をいただいて、体も心もぽかぽか温まりました。お酒に酔ってもう歩くのがめんどうになっていたのでタクシーを拾ってホテルへ。

京都での定宿は、駅からほど近いリーガロイヤルホテルです。ロビーにはアメリカの家庭を思わせる、ハートウォーミングなクリスマスのコーナーができていました。

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100本のスプーン @東京都現代美術館

2021年01月10日 | グルメ

石岡瑛子展を見た後は、美術館内にあるレストラン「100本のスプーン」でお昼をいただきました。このお店は二子玉川にあるのを知っていましたが、入ったのは初めて。ファミリー向けのレストランながら、子どもも大人と同じ本格的なお料理を子どもサイズでいただけます。

レストランは美術館に入館しなくても利用でき、木場公園に隣接していることから、ファミリーやお子さん連れのママたちでにぎわっていました。私たちはたまたま騒がしい席の隣りになってしまいましたが、お料理や店内の雰囲気はよかったです。

オトナのランチコースをいただきました。

季節の前菜です。モダンアートのように美しい一皿。「サーモンとブロッコリーのタルタル キャビア添え」「牛タンのリエット マスタード風味」「鶏胸肉の低温調理 ビーツソース」が組み合わされています。

ライ麦パンもしっかりした味わいでお料理によく合いました。

メインディッシュは4種類から選びます。こちらは「リブロースステーキ グレービーソース」です。ソースはおしょうゆを効かせた和風味でした。グリルした野菜がほくほくとしておいしい。上に添えてあるのは最近よく見る紫水菜でしょうか。

私は「100本のビーフシチュー」をいただきました。お肉がほろほろに柔らかく煮込まれていて、ボリュームたっぷり。赤ワインを効かせたソースも濃厚でおいしかったです。グリルした野菜と小松菜、彩りも美しく、大満足の一品でした。

デザートは「ガトーショコラ ベリーソース添え」でした。チョコレートのほろ苦さにベリーのソースがよく合います。

紅茶とともにおいしくいただきました。

***

食後はコレクション展を鑑賞。前回と展示内容が変わっていて、こちらも楽しく見ました。1995年の開館時に話題を呼んだ、ロイ・リキテンスタインの「ヘア・リボンの少女」も見ることができて大満足でした。

館内外には大型の彫刻作品もあります。

アンソニー・カロ「発見の塔」1991 

コロナ感染予防対策のために上れなくなっていたのが残念でした。

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石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

2021年01月07日 | アート

東京都現代美術館で開催されている「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」を見に行きました。

アートディレクター、デザイナーとして、多岐にわたる分野で世界を舞台に活躍した、石岡瑛子さん(1938-2012)の大回顧展です。初期の広告から、映画、舞台、オリンピックのプロジェクトまで、石岡さんの才能とエネルギーに圧倒されました。

石岡さんは、1961年に資生堂に入社してデザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、1970年に独立しました。1970~80年代といえば、資生堂とカネボウのCMバトルや、パルコやサントリーの広告がなにかと話題になっていたことを懐かしく思い出します。

コピーライターや、コーポレートアイデンティティなんて言葉が広まったのもこの頃ではなかったでしょうか。また、映画と書籍の強力タッグで「読んでから見るか、見てから読むか」の角川書店が注目を集めていたことも思い出されます。

資生堂、パルコ、角川書店などの広告の仕事を手掛けてこられた石岡瑛子さんは、まさに広告が消費を生み出す時代を牽引してきた仕事人であることを実感しました。

当時の日本で、しとやかではなく強い女性を打ち出した資生堂の広告や、ダイバシティという考えのなかった時代に、アフリカの女性たちをモデルにしたパルコの広告は、ものすごく画期的だったと思います。

石岡さんは、1980年にニューヨークを拠点を移して、広告から映画や舞台の世界に入り、舞台「M.バタフライ」(蝶々夫人) や「忠臣蔵」「ミシマ」の舞台デザインや衣装デザインを手がけました。

真二つに割れた金閣寺をはじめ、数々の衣装や映像を見ると、外国から見たオリエンタリズムという視点を意識しているように感じましたが、強さと華やかさ、重厚感があって、圧倒されました。

後半では、オリエンタリズムからさらに進化して、ボーダーレスな活躍ぶりで世界を魅了していきます。今回、石岡さんの仕事で私が唯一実際に見たことがあるのは、シルク・ドゥ・ソレイユの「ヴァカレイ」です。

唯一無二の色使いと、謎の地球外生物?のようなフォルムの衣装は、サーカスという動きのある舞台を得て、さらに輝きを増しているように感じました。

北京オリンピックの開会式では、コスチュームディレクターを務めました。中国の伝統を現代に取り入れた独特のデザインは、オリエンタルなデザインを手掛けてこられた石岡さんらしい魅力にあふれていました。

石岡さんの遺作となった、映画「白雪姫と鏡の女王」(Mirror Mirror) の衣装デザイン。

布を丹念に重ね合わせる大がかりな衣装は、映画というより舞台衣装のよう。実物を見るとその大胆さと繊細さに圧倒されました。

この他舞台衣装では「ドラキュラ」や「ニーベルングの指環」の個性的で、ダークなデザインも印象的でした。

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My Best Films in 2020

2021年01月02日 | 映画

あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

例年お正月は旅先で迎えるのが習わしになっていましたが、今年はコロナの心配もあり、旅行を取りやめて久しぶりに自宅で新年を迎えることになりました。

関東式のお雑煮といただきものお節で新年を迎え、昼は実家に年始のあいさつ。夜は奈良のお酒も少しいただきました。穏やかな新年を迎えることができたことに感謝です。

さて毎年恒例の My Best Films。昨年はコロナの影響に個人的な忙しさも加わり、映画館に足を運ぶ機会が激減しましたが、心に残った作品を書き留めておきます。

*** 新作映画 ***

2020年に日本で劇場公開された映画から3作品を選びました。

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 (Little Women)
 + オーチャードハウスと、ベートーヴェンの「悲愴」

グレタ・ガーウィグ監督による新解釈で現代によみがえった若草物語。原作をリスペクトしつつ、現代に生きる私たちを応援し、勇気を与える作品となっていました。エンディングの一連のシーンの清々しさ、心地よさ。音楽、舞台、衣装もすべて私好みでした。

レイニーデイ・イン・ニューヨーク (A Rainy Day in New York)
 + Everything Happens to Me @レイニーデイ・イン・ニューヨーク

ウディ・アレン監督によるニューヨークを舞台にしたコミカルなラブストーリー。アレンらしいおしゃれでシニカル会話、レトロな音楽、マンハッタンの風景、すべてが好みで、気持ちが高揚するのを感じました。

一方でこの後 Amazon Prime 見たアレンの前作「女と男の観覧車」(Wonder Wheel) もすごくよかったです。こういうギリシャ悲劇的なサスペンスもまた、アレンならではの世界だなーとうなりました。

マーティン・エデン (Martin Eden)

「1917 命をかけた伝令」(1917) と迷いに迷って本作に。一筋縄ではいかない人生の皮肉と残酷さ、ほろ苦い結末、旅情あふれる風景と、イタリア映画ならではの深い味わいに魅了されました。この映画で知った主演のルカ・マリネッリのアクの強さも魅力的でした。

地味な作品ですが、オバマ前大統領も本作を 2020年の Favorite Movies のひとつに選んでいて、ちょっとうれしくなりました。

*** 旧作映画 ***

2019年以前に公開された映画から1作品を選びました。

マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ (Maggie's Plan)

感想も書いていないのに恐縮ですが、アダム・ドライバーの「ザ・レポート」(The Report) と迷いに迷って、まったく違う本作に。レベッカ・ミラー監督、グレタ・ガーウィグ主演の、ニューヨークを舞台にしたコミカルな恋愛ドタバタ劇です。

グレタ・ガーウィグ演じる不器用なマギーがとにかく愛おしくて、つい感情移入して応援しながら見ていました。イーサン・ホークのダメ男ぶりはまさにニン。ラストのええ~?というほのめかしも絶妙で、見た後で幸せな気分になる作品でした。

*** 番外編 ***

個人的には昨年は長いブランクの末に再就職した節目の年でもありました。仕事に慣れるのもたいへんで、夜中にはっと目を覚ますことも少なからずありましたが、それ以上に苦労したのは人間関係の難しさでした。そんな私をいつも支えてくれたのはこの作品です。

プラダを着た悪魔 (The Devil Wears Prada)

本作は単なるおしゃれ映画ではありません。新しい環境の中、厳しい上司、いじわるな先輩に苦労しながら、主人公が自分の力で道を切り開いていく物語なのですよね。

辛い時には、自分はプラダを着た悪魔のアン・ハサウェイなんだ、とかなり図々しい妄想をして自分を励ましていました。映画の力を再認識した年でもありました。

今年もすてきな作品との出会いがありますように。

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