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1917 命をかけた伝令

2020年03月11日 | 映画

サム・メンデス監督による第1次世界大戦を舞台に描いた戦争ドラマです。

1917 命をかけた伝令 (1917)

1917年、第1次世界大戦中のフランス。イギリス軍のエリンモア将軍(コリン・ファース)は、ドイツ軍が撤退すると見せかけて大規模な奇襲作戦を企てていることを知り、若き2人の兵士にそのことを前線にいるマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)に知らせて撤退させるべく、メッセージを託します。

大任をあずかった若き兵士ブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)とスコフィールド(ジョージ・マッケイ)は、前線にいる1600名の兵士の命を救うため、たった2人でどこから敵が現れるともしれない戦場を突き進みます...。

戦争映画は重いながらも深いドラマがあって、心を揺さぶられる名作が多いですが、本作も期待を裏切らないすばらしい作品でした。

ストーリーとしてはシンプルで、若き2人の兵士が前線にいる1600名(その中にはブレイクの兄もいる)を救うために、命がけで任務を全うする物語。

過酷でシリアスな戦争映画ですが、常に主人公2人の視点で映像が進行し、塹壕を走り抜け、滝から落ち、遺跡に身を隠し... 敵の攻撃と背中合わせにある危険が、ひりひりと伝わってきます。ビデオゲームのサバイバルゲームを想起させ、エンターテイメントとしても楽しめました。

兵士を探して戦場を突き進む展開は「プライベート・ライアン」、子どもを連れた女性に匿われる場面は「コールドマウンテン」、長く続く塹壕には、第1次世界大戦のフランスを舞台にした「戦火の馬」と、時代も場所も違ういろいろな戦争映画を思い出しました。

そしてエリンモア将軍の伝言にすべてを理解し、将軍を信じ、マッケンジー大佐が隊の命を守るために勇気ある決断を下す場面に心打たれました。

脇役にベテラン俳優を配しつつ、主人公の2人が実力派若手俳優というのもよかったです。

スコフィールドを演じたジョージ・マッケイは、イギリス映画の「パレードにようこそ」(Pride)や、ヴィゴ・モーテンセンの「はじまりへの旅」(Captain Fantastic)での演技が印象深く、心に残っていた俳優さん。

わけあって疎遠となっていた家族に思いをはせるラストは、忘れられないシーンとなりそうです。



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16 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
WWI (ごみつ)
2020-03-12 02:13:43
こんばんは。

戦争映画と言うと、第二次のものがず~っとメインでしたが、最近、第一次大戦ものが増えてきましたよね。

塹壕のシーン、ながまわしで撮影してるから、臨場感ありました。塹壕ってこんなに長いんだ!とちょっとビックリするくらいでした。

ストーリーがシンプルなぶん、映像表現に重点が置かれていて、眼を奪われました。

最初、ノーマンズランドをつっきって行くシーン、私は「ワンダー・ウーマン」を思い出しました。(*'ω'*)
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☆ ごみつさま ☆ (セレンディピティ)
2020-03-12 17:28:28
ごみつさん、こんにちは。
いい作品でしたね。
塹壕の描写がていねいで印象に残りました。
ドイツ軍とイギリス軍との違いも詳細に描き分けられていて
さすがよく調べてあるなーと感心しました。

映像もダイナミックですばらしかったですね。
フランスの大地に、私は戦火の馬を思い出しましたが
なるほどワンダーウーマンですが。^_^
隠れるものがない大地を突き進むのは、見ている方も心臓バクバクでしたね☆
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戦争博物館 (ノルウェーまだ~む)
2020-03-13 00:41:52
セレンさん☆
私ロンドンの戦争博物館で第一大戦の時の戦車や、塹壕の様子を再現したエリアなど見ましたが、これほどまでに塹壕が長距離掘られているとは知りませんでした。
ラストは本当に忘れられないシーンとなりました~
塹壕の作り方にドイツとイギリスで違いがあるのが興味深かったですよね☆
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☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ (セレンディピティ)
2020-03-13 00:55:29
まだ~むさん、こんばんは。
ロンドンの戦争博物館、見てみたいです!
戦争映画は結構見ているので、展示も興味深く見れそうです。
長く続く塹壕には私もびっくりしました。
掘るだけでも気が遠くなるような時間がかかりそうです。
塹壕にもお国柄が感じられて興味深かったです。
静かなラストが秀逸でしたね。心に残りました。
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Unknown (kinkacho)
2020-03-14 15:43:06
こんにちは。
第一次世界大戦の塹壕は地球を何周をするほど掘られたという話を思いだしました。毎日降り注ぐ弾薬、放り込まれる毒ガス、そして、過酷な環境と傷病が満ち溢れる悲惨な場所だったとも...それを垣間見せながら、映像美できれいにまとめた佳作でした。
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☆ kinkachoさま ☆ (セレンディピティ)
2020-03-14 22:11:52
kinkachoさん、こんばんは。
第一次世界大戦の塹壕、あんなに長く作られていた
とは知らず、驚きました。
ドイツ軍の方はトンネル状になっているものもあったので
映画のように崩落する危険もあったでしょうね。

緑の平原や青い空、赤く染まる夕焼けなど、
映像の美しさも印象的でした。
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Unknown (margot2005)
2020-03-24 00:29:10
「ダンケルク」のように若手俳優メインの戦争ドラマは見ごたえがありました。
有名俳優人はやはりの存在感でしたね。
塹壕を進むシーンやノーマンズランドでの二人のシーンが緊張感いっぱいに描かれスゴいなと思いました。
ラスト、スコフィールドの母の写真に書かれていた
「無事に帰って!」の言葉に胸が熱くなりました。
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☆ margot2005さま ☆ (セレンディピティ)
2020-03-24 00:41:28
margotさん、こんばんは。
主人公が若手俳優だったことで
何が起こるかわからないはらはら感がより増したように思います。
ベテラン俳優たちはさすがの存在感でしたね。
臨場感あふれる戦場のシーンの数々や、
写真だけで主人公の心情を伝えるラストなど
心に残る作品でした。
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私も見ました。 (きさ)
2020-04-08 15:18:45
119分ワンカットというのが話題ですが、さすがに途中何か所か巧妙につないであると思います。
中盤に主人公が意識を失って暗転するシーンもありますし。
とはいえ大量の兵士の出るシーンの撮影はさぞや大変だったでしょうね。
お話は重要な任務を命じられた二人の兵士が戦場を移動していきます。
冒頭、塹壕の中を二人がえんえんと歩いていくシーンはキューブリック監督の「突撃」を連想しました。
119分を一気に見せる演出は見事でした。
主演二人もいいですが、出番は短いですが、マーク・ストロング、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチの出演シーンはさすがでした。
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☆ きささま ☆ (セレンディピティ)
2020-04-09 08:36:32
きささん、こんにちは。
正確には「ワンカットに見えるようにつなげられている」でしたね。
主人公の目線で撮られているので臨場感がありました。
ビデオゲームのサバイバルゲームのようにも感じられました。

ベネディクト・カンバーバッチがかっこいい~と思いましたが
主演のジョージ・マッケイも好きな俳優さんだったので
うれしかったです。
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