セレンディピティ ダイアリー

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イコライザー2

2018年10月11日 | 映画

お昼を食べたあとに、映画を見に行きました。

イコライザー2 (The Equalizer 2)

メンバーになっているので、映画はなるべくTOHOシネマズで見るようにしていますが、なぜか今回、TOHOのシアターはどこも4DかIMAXでの上映でした。いや、2Dで十分でしょうと、渋谷のシネクイントで見ることにしました。

本作は、デンゼル・ワシントン主演のクライムアクション「イコライザー」の続編です。前作がおもしろかったので楽しみにしていましたが、家族で見るには少々ダークだったかも? でも安心して見れる勧善懲悪もので、デンゼルはありえないほど強いし^^ スリリングな場面もあって、結果的にはとっても楽しめました。

前作では、デンゼル演じるマッコールがホームセンターで働く寡黙な店員ながら、実は元CIAの凄腕の殺し屋という設定で、武器ではなく、とっさにその辺にあるものをうまく使って敵をやっつけるのが、見どころのひとつになっていました。^^

本作でもそれは継承していて、冒頭の大陸横断鉄道の場面から、自己紹介代わりにマッコール節がさく裂。子どもを取られたシングルマザーのために、マッコールが元夫とその一味をあっという間にやっつけて、見ていてすっきり。たちまち映画の世界に引き込まれました。ちなみにマッコール、本作での表の顔はタクシー運転手となっています。^^

ところが、マッコールのCIA時代の上官で、彼の事情を唯一知っている理解者であるスーザン(メリッサ・レオ)が、出張先のブリュッセルで何者かに殺害されてしまいます。強盗事件として処理されたものの、何かが引っかかったマッコールは独自に捜査を開始。やがて真相へとたどり着く...というストーリーです。

前作に出ていたクロエちゃんは今回は登場していませんが、代わりにマッコールと同じアパートに住み、悪の道に引きずり込まれそうになっている少年マイルズ(アシュトン・サンダーズ)が登場。マイルズは画家を目指していて、マッコールは厳しくも温かく、父親のように彼を励まします。

マイルズが本棚の中に隠れる場面は、本作の中で一番ドキドキしました。敵がいなくなったとたんに本棚から出ようとしたので、思わずダメだよ!と心の中で叫んだら、案の定つかまってしまいました。>< そういえばマッコールは読書家という設定で、本作でも彼が読んでいる本にさりげないメッセージが込められていたような気がします。

クライマックスの舞台は、マッコールがかつて住んでいたという海辺の町。ハリケーンが近づいて住民たちが避難し、誰ひとりいない町は、さながら荒野といったところでしょうか。マッコールがスーザンを殺された復讐を胸に抱いて、敵をひとりずつ追い詰めていく姿は、まるで西部劇のようでした。

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THE GREAT BURGER STAND @渋谷ストリーム

2018年10月09日 | グルメ

連休に息子が帰省していたので、先月オープンした複合施設「渋谷ストリーム」にお昼を食べに行きました。

再開発中の渋谷駅には、今まで1~15の出口がありましたが、新しく渋谷ストリームに直結する16という出口ができていました。地下道を通ってエスカレーターを上がると、目の前に新しいビルが現れます。ユニークな壁面デザインは、工事中からなんとなく目立っていましたね。

ビルの前を流れる渋谷川。渋谷ストリームは写真の向かって右側です。高層ビルに挟まれて、空も川も窮屈そうに見えます。渋谷ストリームという名まえは、渋谷川の流れと、新しい次代の流れを生み出したいというコンセプトから名づけられたそうです。

1~3階がレストラン街で、上階はホテルとオフィスが入っています。1階の入口にハンバーガー屋さんがあって、ほぼ決まりましたが^^ 一応1~3階をひと通り回ってみて、やっぱり最初に見た THE GREAT BURGER STAND (ザ グレートバーガー スタンド)に入ることにしました。

私は左の自家製レモンソーダをいただきました。粗搾りのレモンがすっきりとしておいしい。右はアーノルドパーマーといって、レモネードとアイスティを半々に混ぜたドリンクです。プロゴルファーのアーノルド・パーマ―が好きだったドリンクだそうです。ストローは時流がら紙製でした。^^

とろりとクリーミィな、ニューイングランドクラムチャウダー。こちらのお店のは殻付きでした。アメリカ製のナビスコのクラッカーがいい感じ。

ボリュームたっぷり。アボカドモッツァレラバーガーに、さらにベーコンをトッピングして。

ヒッコリーバーガー。ヒッコリーチップを使った燻製バーガーらしい。

私はミニサイズのスライダーにしましたが、こちらもヒッコリーチップの香りがしました。スライダーのパティは和牛を使っていて、ミディアムレアな焼き加減がパーフェクトでした。かりっとしたフレンチフライもおいしかったです。

インテリアはサウスウェスタン風。テラスへとつながっていて、開放的な空間でした。

3階に広場のような空間がありました。なんだか見覚えがある...と思ったら、なんと東急東横線の旧渋谷駅のホームではないですか。床には線路が埋め込まれ、かまぼこ型の屋根の骨組みが懐かしい。

(ネット上からお借りしました)

ちなみに旧駅舎はこんな感じでした。新しいビルですが、ちょっぴりノスタルジーも感じてぐっときました。

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ブレス しあわせの呼吸

2018年10月08日 | 映画

奈良旅行記はしばしお休みします。

ポリオに感染して首から下が麻痺して余命宣告を受けながら、家族や友人に囲まれて幸せな人生を送った男性の、実話に基づくヒューマンドラマ。「猿の惑星」シリーズの名優アンディ・サーキスの監督デビュー作で、アンドリュー・ガーフィールドが主演しています。

ブレス しあわせの呼吸 (Breathe)

1950年代、結婚してケニアのナイロビで新生活をはじめたロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)。新しい命も授かり、幸せのただ中にいた2人でしたが、やがてロビンはポリオに感染し、首から下が麻痺し、人工呼吸器がなければ呼吸ができない体になってしまいます。

2人はイギリスに帰国し、ロビンは病院で絶望の日々を送っていましたが、ダイアナはロビンのために自宅で看病することを決意。やがてロビンは友人テディの助けを借りて、どこへでも移動できる呼吸器つきの車椅子を開発します...。

モーションキャプチャーの第一人者であるアンディ・サーキスの監督デビュー作。私にとってはサーキス=猿のシーザーで、彼の感情豊かな演技を思い出すだけで涙ぐんでしまうほどなので、初監督作が重病患者の人権をテーマにしたヒューマンドラマというのに、深く納得してしまいました。

本作は、製作を務めたジョナサン・カベンディッシュの両親の実話がもとになっていて、サーキスが監督することを申し出たのだそうです。サーキス自身、母が障害児を教える教師、父が医師、そして姉が多発性硬化症という環境で育ち、病気や障害をいつも身近に感じていたそうで、この作品を手掛けることに運命を感じたのかもしれませんね。

本作のテーマは、ひとことでいえばクオリティ・オブ・ライフ。病院の中でただ死を待つだけの毎日がどれほど辛いものか、想像に難くありませんが、ロビンは重度の障害を抱えて余命宣告を受けながら、子供の成長を見守り、家族や友人に囲まれ、旅行に出かけ、人生を謳歌するのです。

もちろん、介護する家族の精神的・肉体的・経済的負担など、たいへんなこともたくさんあったでしょうが、この映画ではそうした苦労は比較的マイルドに描かれています。そして実際、苦労を上回る大きな喜びがあったから、彼らは乗り越えることができたのだと理解しました。

病気だからしかたがないとあきらめることは、今の時代でもたくさんあると思いますが、あの時代、いい意味でわがままに、貪欲に人生を切り開いていったのはすごいことだと感動しました。彼のような先駆者がいれば、同じような病気の人たちに希望を与えることができるでしょうし、まわりの意識も変えていくことができるでしょう。

ロビンがスポンサーを見つけて、同じ病気の人たちにロビンと同じ呼吸器付きの車椅子を何台も用意したことは、彼らに病院の外に飛び出す喜びを与えました。

一方、ロビンが招待を受けてドイツの ”最新鋭の” 病院を視察に訪れた時は衝撃でした。そこにいたのは清潔な環境の中、身動きができず、ただ生かされているだけの人たち。でも当時はこれが ”すごい医療” だったのでしょうね...。

映画は明るく前向きでユーモアがあって、比較的ライトなタッチで描かれていますが、生きることの喜び、生きることの意味について考えさせられる作品でした。

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元興寺と、柿のタルト

2018年10月05日 | +奈良

館内ツアーのあと、ならまちにある元興寺まで散策に行きました。

こちらは、奈良ホテルに隣接する名勝 旧大乗院庭園です。1087年に創建した大乗院(興福寺の門跡寺院)の庭園で、荒れ果てていたのを復原し、昨年一般公開されたそうです。通りがかりに外から見学しました。一時は奈良ホテルのパターゴルフ場だったこともあるそうですが^^; 緩やかな起伏のある地形を見ると、なるほど...とうなずけました。

そしてこちらは元興寺。写真は本堂(国宝)です。がんごうじ??読み方さえ知らなかったお寺ですが、奈良公園にある東大寺・興福寺・春日大社と同じく、こちらも世界遺産に登録されています。593年、蘇我馬子によって飛鳥に創建され、平城京遷都に伴い、この地に移転してきたという由緒ある寺院です。

奈良時代には、今のならまちに広がる大寺院でしたが、その後衰退し、今は本堂、禅室(国宝)、東門(重要文化財)だけが残っています。この日はちょうど「大元興寺展」が開催されていて、貴重な所蔵品も見ることができました。

2500もの石塔、石仏類を田んぼのように並べた浮図田(ふとでん)。今の季節は、萩や彼岸花、リンドウが趣を添えていて、ひなびた佇まいに心安らぎました。

右手手前が本堂。その奥の禅室は、僧が生活していた場所だそうです。禅室はふだんは公開されていませんが、10月13日~11月11日に屋根裏に上って建築構造を見学する「屋根裏探検」(要予約)が開催されるそうです。おもしろそうですね。^^

浮図田の奥が少し小高いビュースポットとなっていて、本堂と禅室の屋根がよく見えました。赤い瓦と黒い瓦が入り交っているのが見えるでしょうか。これは日本最古の飛鳥時代の瓦だそうです。

境内には、萩の寺とよびたくなるほど、紅白の萩が咲き乱れ、雨粒にぬれてきれいでした。

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このあとホテルにもどって、ティーラウンジでお茶にしました。

私は季節限定の奈良県産あんぽ柿のタルトと、奈良県産ほうじ茶ラテのセットをいただきました。濃厚な焼菓子好きの私にはとても魅力的なお味でした。

アップルパイとコーヒーのセット。りんごがぎっしり入っていて、こちらも魅力的。

窓から見る緑と荒池の風景がとても美しかったです。

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奈良ホテル 茶がゆの朝食と、館内ツアー

2018年10月03日 | +奈良

奈良ホテルの続きです。翌朝、朝食に向かう途中、窓からお庭に鹿のファミリーがやってくるのが見えて、思わず顔がほころびました。

朝食の場所は、夕食と同じ”三笠”でした。洋食・和食・茶がゆの3種類があり、私はせっかくなのでここでしか食べられない茶がゆをいただくことにしました。茶がゆは奈良に伝わる伝統的な家庭料理で、各家庭でそれぞれ作り方があるようですが、こちらでは緑茶で炊き上げているということです。

ほどよく柔らかく、おなかに優しく収まる茶がゆは、しみじみとおいしかったです。焼魚、玉子焼き、胡麻豆腐、炊合せ、おひたし、お味噌汁、そして香の物には奈良名物の奈良漬けがついていました。

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食事のあとは、朝9時からの館内ツアーに参加しました。

ツアーは、ロビー”桜の間”からスタートです。ホテルの辻さんという方が案内してくださいましたが、実際に体験されたエピソードを交えたお話は、リアリティと臨場感があってとてもおもしろかったです。鮮やかな話術の中にもホテルに対する誇りと愛情が伝わってきて、心に響きました。

写真右の大時計は、1990年に今上天皇の即位をお祝いして記念に設置したものだそうです。15分ごとに美しい音を奏でますが、両陛下も左に見える2つの椅子に座られて、お聞きになられたそうです。

桜の間にはこのほか、アインシュタイン博士が1922年に演奏したピアノがありました。戦後GHQに接収される前に運び出したまま行方不明になっていましたが、1992年に発見。その後2008年に博士がピアノを弾く写真の原版が見つかって同一のものと確認が取れ、この場所に戻ることができたという、数奇な運命をたどったピアノです。

このほか館内では、昭和初期に所有していたオールドノリタケの貴賓用食器、大倉陶園の特別食器、カガミクリスタルの特別グラスを見ることができました。(写真は大倉陶園の食器)

2013年に館内の倉庫で見つかったという銀食器。鉄道院・鉄道省がホテルを直営していた時代の貴重なカトラリーです。

同じく2013年に倉庫から見つかった謎の食器類。調べていくうちに、ナガサキホテル(1898-1908)で使われた食器と判明したそうです。ナガサキホテルはジョサイア・コンドルによる建築で、当時東洋一と謳われました。おそらくコンドル氏と辰野金吾氏の師弟関係、両ホテルの頭文字(NH)が同じことから、ナガサキホテルの廃業時に継承したと考えられているそうです。

本館入口正面にある赤絨毯の大階段です。絶好の撮影スポットで雑誌の撮影にもよく使われるそうです。撮影のコツも教えていただきました。^^ 館内には歴史を感じる調度品や、上村松園の「花嫁」をはじめ日本画の巨匠による美術品も多く、まさに”宿泊する博物館”とよぶのにふさわしい場所でした。

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奈良ホテルのメインダイニング 三笠

2018年10月01日 | +奈良

奈良旅行記の続きです。最初の日は奈良ホテルに宿泊しました。

半日歩いてホテルにもどると、暮れなずむ青色の空気の中、ぽっと灯りがともっていました。奈良ホテルは1909(明治42)年に開業した老舗ホテル。近畿において国賓・皇族が宿泊する”西の迎賓館”の役割を担ってきました。過去にはヘレン・ケラーやオードリー・ヘプバーンなど多くの著名人が宿泊しています。

設計は辰野金吾氏。ジョサイア・コンドルに師事し、東京駅や日本銀行本店など数々の西洋建築を手掛けてきた辰野氏ですが、奈良ホテルについては、地元の人たちに愛されるホテルでありたいと、周りの景観に配慮した寺院風の造りにしたそうです。内装は洋室が中心で、桃山風とドイツ風を取り入れた和洋折衷のスタイルとなっています。

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夕食は、部屋でくつろいでから街に出るのがめんどうだったので、ホテルのメインダイニングルーム「三笠」を予約しておき、フランス料理のコースをいただきました。

スパークリングワインで軽くのどを潤してから、まずはサーモンのオードブルをいただきました。豆苗がいいアクセントになっています。

本日のスープは2種類から。こちらはコンソメスープ。おなかに優しくしみわたる滋味深いお味でした。

私はコーンポタージュをいただきました。まろやかでほのかに甘く、ほっとするお味でした。

メインディッシュは3種類から選びます。こちらは、鴨フォワグラを包んだオマール海老のポワレ 甲殻類入りムースを巻いた太刀魚 ブールブランソースとアメリケーヌソース。それぞれ2つの素材を組み合わせた複雑な味わい、濃厚で赤ワインにもよく合いました。

私はお肉をいただきました。仔牛フィレ肉のソテー タルトに詰めた鴨フォワグラとリ・ド・ポー添え 鴨フォアグラムース入りマデールソース。リ・ド・ボーは胸腺とおっしゃっていましたが、仔牛の時にある内臓のひとつだそうです。いろいろなお味が楽しめて、全体のバランスがよかったです。

デザートのケーキは、チョコ・マロン・バニラを重ねたもの。チョコレートのまったりとした風味が楽しめました。きれいにカットされたフルーツもおいしかったです。コーヒーをいただいたら、すっかりリラックスしました。最近のヘルシーなフレンチも好きですが、久しぶりに濃厚な王道のフランス料理を堪能しました。

若干遅めのスタートだったので、私たちが食事が終わる頃にはほとんど皆さんお部屋にもどられたようです。窓からはほのかにライトアップした五重塔が見え、奈良にいることを実感しました。

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