セレンディピティ ダイアリー

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エッグスラットで朝食を

2017年04月09日 | 料理

ロサンゼルスで大流行して、日本でも話題になっているエッグスラット(eggslut)。ガラス瓶の中にスパイスで味付けしたじゃがいものピュレーを入れ、上に卵を割って半熟になるまで湯煎したお料理です。

オリジナルは、数々のレストランで修行してきたシェフAlvin Cailanが、2011年にロサンゼルスの小さなフードトラックで始めたお料理で、正確にはお店の名前がEggslut、お料理の名前がSlutです。Eggslutでは、この他にも卵を使った朝食向けサンドウィッチが人気です。

先週、このEggslutがニューヨークに新しいお店を出したというニュースを目にして、私もスラットを作ってみたくなりました。レシピはコチラを参考にしました。

強めの塩、こしょう、ナツメグで味付けして作ったじゃがいものピュレーをガラス瓶に入れて、その上に卵を割り入れます。(たまごは、最近お気に入りの那須の赤い太陽を使用)

瓶にふたをして、かぶるぐらいの熱湯に静かに入れたら、お鍋のふたを閉じて、弱火でことこと湯煎していきます。時々様子を見て、たまごがゆるやかに固まったらできあがり。

ふたをとってパセリのみじん切りを散らしました。(お店ではチャイブ&グレーソルト) お店ではバゲットとともに供されますが、私は半分に割って軽くトーストしたイングリッシュマフィンを添えました。

スプーンでくずすと、たまごがとろ~りといい感じ!

じゃがいもと白身と黄身と、あまり混ぜすぎないくらいにしてイングリッシュマフィンにのせていただくとおいしい♪ マフィンにのせず、スラットだけでもおいしくいただけました。じゃがいものピュレさえあらかじめ作っておいたら、忙しい朝でも簡単にできそうです。また作ってみたいと思います。

【参考サイト】
◆ エッグスラット(Wikipedia)
◆ LAで大人気☆エッグスラット☆(COOKPAD)
◆ eggslut(お店の公式サイト)
◆ Eggslut, Breakfast-Sandwitch Royality From L.A., Arrives in New York This Week (Grub Street 2017/03/30)

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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命

2017年04月06日 | 映画

ナタリー・ポートマンがジョン・F・ケネディ大統領夫人ジャクリーン・ケネディを演じ、大統領暗殺から国葬が執り行われるまでの4日間にフォーカスしたドラマ。「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督がプロデューサーとして参加しています。

ジャッキー(Jackie)

1963年11月22日、テキサス州ダラスでのパレード中、ジョン・F・ケネディ大統領が何者かに狙撃され、妻ジャッキーことジャクリーン(ナタリー・ポートマン)の目の前で暗殺されます。しかし悲しみに暮れる間もなく、彼女には国葬の準備、新大統領への引継ぎ、ホワイトハウスからの退去、とやるべき仕事が山積みでした。

既に過去の人として夫が葬り去られようとしていることに怒りを覚えたジャッキーは、世界が注目する中、全ての人の記憶に永遠に刻まれるべく葬儀を執り行うことが自らの使命だと確信し、全精力を傾けます。

ジャッキーは、私にとってはアイコンともいうべき憧れの存在で、美しき悲劇のヒロインとしてインプットされていたので、本作を楽しみにしていました。映画は苦悩に満ちたジャッキーがひたすら話し続ける場面が多く、正直言って忍耐を要する作品ではありましたが、彼女の知られざる一面に触れることができ、見てよかったと思いました。

在任期間わずか2年にして、今も歴代大統領の人気投票では上位に名前が挙がってくるケネディ大統領。そして知的で上品で美しく、圧倒的なファッションセンスと波乱の人生で女性たちを虜にしてきたジャッキー。でもそれらはすべて、彼女の野心とプロデュースの賜物だったのかもしれません。

私たちは彼女の術中にただはまっただけではないのか? これまでのジャクリーン像を大きくくつがえすような内容で、「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマン&ダーレン・アロノフスキーのタッグならではの、ある意味ホラーともいうべき恐ろしい?作品でした。(ほめています)

かつてバージニアに住んでいた頃、ケネディ夫妻が埋葬されているアーリントン墓地を何度か訪れたことがあります。お墓には大統領が埋葬されて以来、今もなお「永遠の炎」が燃え続けていることにわずかな違和感を感じたのですが、本作を見て、ジャッキーはこのお墓を誰もが訪れる特別な場所にしたかったのだと納得しました。

エネルギーがもったいないなどと平凡な私は思ってしまいますが、ケネディ夫妻の墓は今やワシントンD.C.周辺を代表する観光地のひとつとなっていて、墓地自体は入場無料ですが、その経済効果たるやおそらく莫大なものになっていると思います。

映画では、ホワイトハウスを彼女好みの上質で気品あふれるインテリアに改修し、1年間の予算を1ヵ月で使い切ってしまったというエピソードがありましたが、彼女が自ら案内役を務めて「The Tour of the White House」というテレビ番組を全国放映し、費用以上の効果をもたらしたといわれています。

ところで、ジャッキーのホワイトハウスツアーの映像を探していたら、ナタリー演じるジャッキーと比較しているおもしろい映像を見つけました。話し方から歩き方、まゆや口の動かし方までそっくりで、ナタリーがジャッキーを演じるためにいかに研究したかがよくわかります。

Jackie (2016) Compared with Jackie Kennedy Whitehouse tour (1962)

ジャッキーに対するイメージは本作でいくぶん違ったものになりましたが、ジャッキーもナタリーもどちらも魅力的であることには変わりがありません。

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神楽坂 め乃惣

2017年04月05日 | グルメ

神楽坂の老舗割烹「め乃惣」さんでお昼をいただきました。こちらは泉鏡花の「婦系図」のモデルとなった老舗料亭「うを徳」さんの兄弟店で、気軽に料亭のお味が楽しめる人気のお店だそうです。外観は味わいのある木造家屋ですが、最近改装されたばかりの店内は白木が清潔な明るい空間でした。

6席のカウンターにテーブルが2つという小さなお店。ご主人夫婦と娘さんご夫婦?と思しきご家族経営で、手分けしてきびきびとお仕事されているご様子が見ていて心地よかったです。厨房の後ろの棚にはひとつひとつ違う江戸切子のグラスが並んでいて、その美しさにうっとりしました。

海老しんじょが名物とうかがっていたので、お昼の海老しんじょ膳をいただきました。おいしい粗塩をちょんとつけていただく海老しんじょは、ふわっとした中にも海老の食感が生きていて最高においしかったです。銀鱈の西京焼きとほんのり甘い卵焼きも江戸の伝統的なお味。ひと口ずつ大切に味わいながらおいしくいただきました。

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お昼のあとは、裏道をぶらぶらと30分ほど歩いて播磨坂(はりまざか)まで桜の花を見に行きました。4月とは思えない凍えるような寒さで、小雨が降ったり止んだりのあいにくのお天気でしたが、知らない小径を歩くのはいろいろ発見があって楽しかったです。

この日は播磨坂で、文京さくらまつりが開かれていました。桜は、まだ1~2分咲きといったところでしたが、パレードやブラスバンドの演奏などあって、地元の人たちでにぎわっていました。この後さらに、春日通りを後楽園方面へとぶらぶら坂道を下りていきました。

途中で左に折れて伝通院によると、ここだけ桜がみごとな満開でした。

曇り空の下、幽玄さをただよわせた桜がとても美しかったです。伝通院といえば夏目漱石の「こころ」を思い出しますが、他にもいろいろな小説に登場しているとか。徳川家ゆかりの伝統あるお寺ですが、最近再建されたばかりで、まだピカピカでした。すぐ隣の浪越指圧学校を見て盛り上がり^^ 楽しい散策となりました。

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こちらは翌日、六本木ヒルズの毛利庭園の桜です。この日は東京で満開宣言がありましたが、実感としては5分咲きくらいでした。

こちらは昨日の近くの桜。6分咲きくらいまで進んでいました。ようやく暖かくなっていよいよ爛漫となりそうです。

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ムーンライト

2017年04月04日 | 映画

マイアミの貧困地域を舞台に、孤独な少年が心の拠り所を求めて成長していく過程を、少年期、青年期、成人期の3部に分けて描いたヒューマンドラマ。監督は本作が長編2作目となるバリー・ジェンキンス。2017年アカデミー賞作品賞、ゴールデン・グローブ賞映画部門・作品賞(ドラマ部門)を受賞。

ムーンライト(Moonlight)

マイアミの貧しい黒人街、リバティシティ。内気な少年シャロンは、学校ではいじめられ、家では麻薬中毒の母親から放置され、行き場のない苦しみを抱えていましたが、幼なじみのケヴィンが彼を何かと気にかけてくれるのが唯一の救いでした。

ある時シャロンは、いじめっ子から逃れて隠れているところをフアンという男性に助けられます。フアンとその恋人テレサは、シャロンに父母のような愛情をもって接してくれますが、のちにフアンが母親に薬物を売るディーラーだと知り、シャロンは絶望に打ちのめされます。

舞台はマイアミやアトランタの貧困地区で、登場するのは麻薬や暴力と背中合わせの過酷な世界で生きている黒人たち。貧困、いじめ、ドラッグ、育児放棄、同性愛など、この映画で描かれるテーマは、正直どれもとっつきにくく、見る人を選ぶ作品だとは思いますが、私は静かに心揺さぶられ、感動を覚えました。

生きるのにせいいっぱいの厳しい世界で、何かよくないことが起こりそうな予感にどきどきしながらスクリーンを見守っていましたが、過激なシーンは意外にも少なく、ふりかえると静謐で詩情あふれるシーンばかりが思い出されます。バロック音楽を思わせるヴァイオリンの美しいメロディも印象深く、心に残りました。

この作品の魅力をひとことで説明するのは難しいですが、私はいつしか主人公の孤独な心に寄り添い、気がつくと涙がこぼれていました。そういえば隣にすわっていたドレッドヘアの黒人女性も、ずっと鼻をすすっていましたが、単に花粉症だったのかもしれません。^^;

これは小さい頃から愛を求めては裏切られてきたシャロンが、心のよりどころを見つけるまでの物語。

母親は彼を愛してはいたけれど、薬物におぼれ、まともな育児ができる状態ではなかった。父親のようにかわいがってくれたフアンは、薬物がらみのトラブルで、彼の前から姿を消してしまった。そして唯一の友人ケヴィンとは、ある事件がきっかけで、決定的に仲を引き裂かれてしまった。

傷ついた心を頑強な鎧で覆い、せいいっぱいに強がって生きてきたシャロンのこれまでの人生を想像すると、それだけで泣けてきますが、最後に自分の心に素直に向き合うことができてよかった、と心から思いました。

【関連記事】シェフズ・スペシャル @ムーンライト (2017-05-29)

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那須の赤い太陽

2017年04月02日 | 料理

先日、明治の宅配さんがサンプルに持ってきてくださった卵があまりにおいしかったので、週1回配達をお願いすることにしました。

那須の赤い太陽」というこちらの卵は、飼料にこだわって育てられた健康的な若鶏から生まれる低カロリー、高栄養価の卵だそうです。お兄さんが「まずは、たまごかけごはんを召し上がってみてください」とおっしゃったので、この日の夜はTKG(たまごかけごはん)をメインに据えた献立にしました。

事情を知らない家族は、何事???と思ったみたいです。^^

まずは黄色というよりオレンジに近い、黄身の色の濃さに驚かされました。ぷっくりとした黄身は弾力があり、箸をちょっと突き刺したくらいでは崩れない力強さと生命力を感じます。まさに命の源となる太陽といった存在感です。

たまごかけごはんを食べたのって何年ぶりでしょう。ほんとうに久しぶりでしたが、これまでのTKGの常識をくつがえす、まったくの別物といっていいおいしさでした。このおいしさを味わいたくて、卵を定期購入しようと決意したくらい。

そもそも我が家ではコレステロールを考えて、卵はなるべく食べないようにしていましたが、最近では”食事で摂取するコレステロールの影響は少ない”というのが定説になっているとか、いないとか。(とはいえ食べ過ぎはNGですが。)

【参考記事】卵1日1個はウソ? コレステロールの真実(日経 2016/10/02)

別の日には、卵をとろとろのほとんどレア状態にして親子丼を作りましたが、これも最高においしかったです。

この日は前から一度食べてみたかった、卵だけで作る黄金炒飯を作ってみました。(レシピはコチラを参考にしました。)

黄金炒飯は、ごはんとときたまごをあらかじめ混ぜてから炒めるという方法もありますが、これはたまごをフライパンに入れた後すぐにごはんを入れるという方法で作りました。鶏肉の塩麹焼きと副菜を添えて、ワンプレートにしておいしくいただきました。

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