セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

「インターフェアレンス」展

2023年03月19日 | アート

ぴょんぴょん舎でお昼をいただいた後に、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「インターフェアレンス」展 を見に行きました。

インターフェアレンス (interference) =干渉。本展は、光、振動、波動など、身体に介入する揺らぎの感覚を通じて、知覚探求を試みるアーティストによるグループ展です。フランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボデラ、宮永愛子の4名が参加しています。

本展の作品は、会場の空間を生かしたインスタレーションとなっています。会場で実際に見て、感じて、体験しないと、色彩、素材、動き、大きさなど、おわかりいただけないかもしれませんが、雰囲気だけでもお伝えできればうれしいです。

カリフォルニア出身のアーティスト、フランシス真悟の作品。本展のタイトルにもなっている「Interference」シリーズから。このような作品が10作ほど並んでいます。

作品は、雲母を含む光干渉顔料を用いて描かれています。私はパールの入ったマニキュアを思い出しました。極々薄く、筆の動きがまったくわからないほどに、なめらかに塗られている表面が、光の干渉によってさまざまな色に変化していました。

円の内側と外側はそれぞれ違う色が塗られているようですが、見る角度によって違う色に見えるので、もとが何色なのかさっぱりわかりません。若干もやもやするのですが、繊細にきらきらと光っていて、とてもきれいな作品でした。

8階の展示室には、床から天井までの壁一面が塗料で塗られ、ひときわ大きな作品となっていました。ガラスブロックを通して入る太陽の光に反射して繊細に輝き、とてもきれいでした。

こちらは、スザンナ・フリッチャーの「パルス」(Pulse) という作品です。

写真ではほとんどわかりませんが、8階の大きな展示室いっぱいにシリコン糸がぶらさがっています。それらの糸は横糸でつながっていて、モーターの振動によって、縦糸がぷるぷると揺らぎます。一見すると、雨が降っているように見えました。

写真では見えにくいですが、縦糸がぷるぷると揺らいでいる中を、歩いて通ることができます。空中には5つの円盤が糸につながってぶら下がっています。シリコン糸の間を歩いていると、わずかにモーター音がうなりを上げているのがわかりました。

ブルーノ・ボテラの「猿のお金」(Monnaie de singe) という作品。5点からなる連作です。インクで描かれたこれらの作品は、タイトルの意味もわからないし、何を描いているのかもわからない。それでもどことなく不穏を感じさせる作品でした。

宮永愛子の「Voyage」という作品。オンラインお茶会を表している作品で、机には、作者が裏返しに書いた手紙、お茶会の招待状、そしてどこからか拾ってきた?きれいな石が並べてあります。コロナによる行動期限のある生活から生まれた作品だということです。

***

東京は先週 3/14 に桜の開花宣言がありました。

ちょうどその日、勤務先で咲きはじめた桜の花を写真に収めたところでした。それからずっと気温の低い日が続いていて、開花のスピードも足踏み状態ですが、今年の桜はその分長く楽しめるかもしれませんね。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
« ぴょんぴょん舎 GINZA UNA | トップ | THE CITY BAKERY BRASSERIE R... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
インスタレーション (ノルウェーまだ~む)
2023-03-20 00:04:25
セレンさん☆
インスタレーションって本当に面白いですよね。
その空間を体験する・・・特に糸を振動させて見えてくる景色の変化を楽しむ作品なんて!!
その発想力すごいですよね~?
現代アートともまたちょっと違う。この世界観私も好きです。
桜満開になってきましたね~花見の予定が無いのが残念desu
返信する
空間を生かした芸術 ()
2023-03-20 14:11:45
こんにちは。

展示室の空間や光を生かした芸術でしょうか~♪
素敵ですねぇ。
パールのかかったネイル~!!ほんとにそんな感じですね。
時間帯の光の加減によって見え方も違うのでしょうか。
直島の地中博物館のモネの水連を思い出しました。自然光だけで鑑賞するために部屋のサイズやデザイン、素材を決めたのだそうです。

セレンさんの桜の写真、とっても可愛いです。
東京の桜、早いですねぇ。
年々開花が早くなってる気がします。ゆっくり咲いて~♪とお願いしたいですね(*^-^*)
返信する
☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ (セレンディピティ)
2023-03-21 10:03:32
まだ~むさん、こんにちは。
お返事が遅くなってしまってすみません。

インスタレーションは体験するアートといった感じで楽しいですね。
糸を振動させる作品は、アートというよりも
まるで実験装置のようで、こういうアートを作るには
美術もさることながら、数学や物理の知識が必要なのでは?!と思いました。

開花宣言は早かったですが、それから寒い日が続いているので
なかなか開花が進みませんね。
でもその分、長く楽しめるかもしれませんね。
金曜日はお天気が今ひとつのようですが、満開の桜が見れるといいですね☆
返信する
☆ 瞳さま ☆ (セレンディピティ)
2023-03-21 10:18:08
瞳さん、こんにちは。

こちらのエルメスのギャラリーは。お店の上階(入口別)にあって無料で最新のアートが楽しめるので、ブランドには縁がない私もよく足を運びます。
建物はパリのポンピドーセンターも手掛けている、レンゾ・ピアノという建築家によるもので、ガラスのブロックから入る自然光や、2階にわたる吹抜けの展示室など、空間そのものを使った作品があるのがまた楽しいんです。

瞳さんは直島の地中美術館に行かれているのですね! 私は直島には訪れたのですが、時間の関係で家プロジェクトしか見れなかったのが、今となっては心残りです。また行きたいなー。

この日の桜、まだ咲き始めの桜の赤ちゃんといったふっくらしたお顔立ちで、かわいくて思わずパチリでした。
開花宣言は早かったのですが、今週はずっと寒い日が続いていて、なかなか開花が進みません。
今年はその分、長く楽しめるかなーと期待しています。
返信する

コメントを投稿

アート」カテゴリの最新記事