池袋でお昼を食べた後に、久しぶりに映画館で映画を見ました。しかも私にはめずらしく邦画です。グランドシネマサンシャイン池袋は初めて入った映画館ですが、改装してまだ3年とのことで、新しくてきれいでした。
平野啓一郎さんの同名小説の映画化です。原作がすごくおもしろかったのと、今回の映画化がとてもよくできているという予感があったので、本作を見るのを楽しみにしていました。
そして期待通りにとてもよかった! 原作は、衝撃的な事実を抑えるかのように、静かに淡々とストーリーが語られていくのですが、映画は登場人物の内なる激しさが演技によって表現され、ぐっと心に迫る作品になっていました。
特に、物語の鍵となる、谷口大祐を演じる窪田正孝さんの、狂気と孤独が宿った演技は圧巻のひとことでした。窪田正孝さん、私はたぶん彼が演じる作品を見るのはこれが初めてと思いますが、とてもよい役者さんだなーと感動しました。
相手役を演じる安藤サクラさんは、当初は小説のイメージと違うように思ったのですが、映画を見ると彼女以外には考えられないというほど役にはまっていました。辛い過去をもつ2人のかけがえのない4年間。子どもたちもほんとうにいい子に育っていて
できればいつまでも、この幸せを見守っていたかった...。終盤の男の子のことばには、幼いながらも家族を思い、しっかり前を向いて生きていく決意のようなものが感じられて、胸が締め付けられました。
私は平野さんのことばの紡ぎ方、登場人物の気持ちをていねいに掬い取るような描写が好きなので、映画化にあたっては、楽しみな反面、一抹の不安もありました。長編小説を2時間の映画にするにあたって、どの部分を残すか、どのようにストーリーを組み立てるか
監督の葛藤があったと思いますが、取捨選択がみごとで、原作の世界観を大切にしながら、映画ならではのアクティブな作品になっていたのがよかったです。そして映画を見たら、もう一度小説を読み直したくなりました。
本作のアイデンティティというテーマは深く、ストーリーも重めではあるのですが、物語がミステリータッチで進むので謎解きとしてのおもしろさもあるし、考えさせられる作品になっています。
本作とはまったく無関係ですが、私は映画を見ながら、昨今増えている、自分の顔や体にメスを入れ、人生が変わったと告白する人たちのことを、ふと考えてしまいました...。
お勧めの作品です。
原作もお読みになったのですね⁉️
それはより一層楽しめたのではないですか??
窪田正孝くんはご本人もシャイで純粋な方なので、寡黙で実直な役が多いのですが、NHK の朝ドラも凄く良かったし、この映画を見るのが益々楽しみになりました。
池袋に新しい映画館出来たのですね〰️?それも知らなかったです…(笑
ごみつさんのところで拝見してとても気になっている作品です。
セレンさんも原作と映画、両方楽しまれたんですね。
劇場へはいけそうにないので、原作を先に読もうかと考えています。
窪田正孝さんの演技も楽しみにしておきますね。
>そして映画を見たら、もう一度小説を読み直したくなりました。
これ、すっごく分かります。映画って原作全部を取り込むことはかなり難しいので(本作ではそこも見事だったのですね)映画に感動したら、また原作を読み返して噛みしめたくなりますね。
この作品、私もすごく気になってて、年内には観に行きたいと思ってます。平野啓一郎センセイの小説、私には難解かも?と思えてまだ読んだことがないのですが、この映画の原作の小説は母が買ってたので借りて読んでみます。
キャストもいいですね!私、ブッキーの大ファンなのですが、なかなか観たいと思える作品に出てくれないのが悲しい。この映画は珍しく💦観たいと思える作品。色っぽい役、演技のブッキーが好きです。この映画のブッキーはそんな感じではなさそう?
原作は2018年に出た時に読んで、気に入ったので
今回の映画化は期待しつつ、心配もあったのですが
真摯なよい作品に仕上がっていましたよ。
窪田正孝さんは存じ上げてはいたものの
今時の人気のある俳優さんでしょ、と思っていたので
骨のある演技に圧倒されました。実力派の俳優さんですね。
この映画館は、できたのは20年くらい前?のようですが
改装したばかりできれいでしたよ。
本作、いつか瞳さんに見ていただきたいです。
洋画一辺倒の私も、本作は楽しめました。
原作と映画、どちらが先がいいか悩むところですが
どちらが先でも楽しめると思います。
原作も是非!読んでいただけたらうれしいです☆
今、再び原作を引っ張り出して読んでいて
以前には気がつかなかった描写の細やかさに気がついたりして...
新たな感動を味わっています。
たけ子さんも本作気になっていらしたのですね。
お時間ができたら是非ご覧になってみてください。
気に入っていただけたらうれしいなー。
お母さまも原作を読まれたのですね。
平野さんは初期の作品は難解と言われていますが
最近はわりと柔らかくて(編集者の戦略かしら?)
読みやすいと思いますよ。
こちらもいつか語り合いたいです。
ブッキー、好青年ですよね。
この映画のブッキーは色っぽいというよりさわやかでした。
バーで飲んでいるシーンは「大人のエレベーター」のCMを思い出しましたよ。^^
コメントが遅くなりましたが、この映画、とても良く出来てましたよね。大満足の1作です。
そうそう、原作を実にうまく映像化していて、その事にまずは感動したし、後はこの物語をリアルに見せてくれる俳優さん達の演技が見事でした。
特に窪田正孝さんの演技は忘れられないものでしたね。
映画を見た後に原作を読むとさらに色々なところに気が付きそうですね。最初には気が付かなかったところを色々と発見しそうです。
この映画、よくできていましたね。
今、改めて原作を読み直していますが
ある男=Xの人生にフォーカスしていたのが
映画として正解だったと思いました。
窪田正孝さんの演技は圧巻でしたね。
わきを固める俳優さんたちのさりげない演技もまた
彼を支えていると思いました。
原作はメインとなるストーリーは覚えていたものの
細かいところはいい感じに忘れていたので
新鮮な気持ちで読み直しています。
小説では城戸の物語もしっかり描かれているのですよね。
改めていろいろ発見があっておもしろいです。
引き込まれる作品でした。原作は未読なので、もしかしたらミスリードされているのかもしれませんが、本物の谷口大祐(仲野太賀)が戸籍を変えたかった理由がイマイチペラペラだったのに比較して、窪田正孝の切実さに胸が締め付けられるようでした。
引き込まれる作品でした。
深い人間ドラマが味わえて大満足でした!
戸籍を変えるというのは、その人に付随していたすべて(よい思い出も含めて)を消すということで、それ相応の理由がなければできないことと思いますが、Xの場合はそれが大いに納得のできるものでした。
窪田正孝さんの演技は凄みがありましたね。