上の写真は何?と思うくらい古びた本でわかりません。「石坂洋次郎文庫13」で「あじさいの歌・寒い朝」が集録されています。友達と「あじさいの歌」の映画の話になったので、懐かしくなり原作を読みました。石坂洋次郎作品は中学生の頃に気に入って読みました。「若い人」「陽の当たる坂道」などです。石坂作品は根底には暗い複雑な人間関係があるのですが、青春らしい面も生き生きと描かれていて好きでした。懐かしくなって、「あじさいの歌」は題名も良いし季節もピッタリですぐに図書館に予約しました。字の大きさが文庫本より小さいので読みにくかったです。「寒い朝」は字が小さいので今回は読みませんでした。登場人物の河田藤助は「商業美術のようなものでも、結局は、自然の美を、その目的に副うように再現することにあり、それを怠っていると、かんじんの仕事も、マンネリズムに陥ってしまうのだ。」と言っています。この言葉で河田藤助に好感を持ちました。私も自然の色の美しさや造形が素晴らしいと思っているので、色の組み合わせなどファッションに取り入れられたらいいなと思いながら見ています。ファッションセンスはありませんが、「こんな色のこんな服があったら着てみたいな」とか思って。素晴らしい服があっても似合うとは限っていないのが惜しいところです。さて、あじさいの花ときれいなお嬢さんを写真に撮った河田藤助はその写真に「あじさいの花」と名付けて展覧会に出品します。そこからドラマが始まります。やはり複雑な家庭環境です。主人公倉田けい子と母の長沢いく子。「1人は教養もあり信仰も厚く、男に触れたことがない処女であり、1人は自分の身体を、大勢の男たちが急行列車のようにかすって通りすぎていった、汚れた経歴の女であることを、誰が判別できるであろう?してみると、人間の風格というものは、肉体ではなくて、目に見えない心の営みにより多く影響されていると考えてもいいのであろうか。」話しても書いても何をしてもしなくてもその人となりが表れます。心の持ち方が大事、どんな心の持ち方をすればいいのか、考えました。いくら装ってもみんなお見通しということでしょう。久しぶりに石坂洋次郎の作品を読んで若い頃が懐かしく思い出されました。
2023-7-1(土) 図書館資料 請求番号:918.6/イシ
こうしてコミュニケーションがとれて本をご紹介してくださったり、私は嬉しいです。
私の母も「若い人」を読んだと言ったので、母はどんな本を読んだのかなと興味を持ちました。
新聞に連載されたのだと思います。
「私生児」と言う言葉はその時に初めて知ったと思います。
いつか、石坂洋次郎記念館に行ってみたいです。
秋田県横手市なんですね。
最近は図書館へ行かなくてもスマホやパソコンで予約して、
駅の近くなどで受け取ったり出きるのですが、そちらにはありませんか?
返却も出きるのすごく便利です。
本を買って処理するのも手間がかかりますしね。
「道元の冒険」を読んでいます。
喜劇みたいですね~面白いです。
ご紹介、ありがとうございます。
この次は「師匠はつらいよ」も読みますね。
楽しみです📚️
石坂洋次郎の「若い人」がありました。自分で買った記憶はないので
父の本だったのかと。その時、石坂洋次郎は秋田県横手でしばらく教師を
していたことを聞きました。以来、なんとなく親しみを感じています。
秋田県横手市には、石坂洋次郎文学記念館があります。
前にも書きましたが、身近に本を借りられる図書館があり羨ましいです。
以前読んだ本をまた買うのも、そしてそれを家に置くのも大変です。
でも、珍しく、将棋の藤井さんのお師匠さんが書かれたエッセイ集
「師匠はつらいよ」は、お金を出して買いました。笑。
一日二度の投稿ですみません。