しましましっぽ

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「雪煙チェイス」  東野圭吾 

2018年05月11日 | 読書
「雪煙チェイス」  東野圭吾  実業之日本社文庫    

東京、N町の静かな住宅街の1軒で、80歳の福丸陣吉が絞殺体で発見される。
目撃情報があり、3か月前まで犬の散歩のアルバイトをしていた大学生、脇坂竜実に容疑が掛る。
小杉、白井刑事が訪ねるが脇坂は留守だった。
玄関先で待っていると鑑識が来てドアノブの指紋を採取を始める。
現場の、隠された合鍵にあった指紋と照合すると言う。
その頃脇坂は、スノーボードに出掛けた帰りに、友人の波川省吾のアパートで飲んでいた。
脇坂の隣人で同じ大学の松下が、警察が探している事、それが殺人事件のようだと言う事を脇坂に知らせる。
無実だから心配ないと言う脇坂に、法学部の波川が詳しく話を聞く。
当日福丸家に行った事などを知ると、疑いを晴らすには「アリバイを確実にしないと犯人にされる」と確信して言う。
アリバイを証明してくれるのは、スノーボードの時に出会った唯一の美人ボーダーだけ。
名前も知らない彼女は、ホームグランドは里沢温泉スキー場で、すぐに戻ると言った事だけ。
脇坂と波川は、彼女を探すため里沢へ向かう。








ソフトでユーモアもあるので、軽い物語に感じるが、よく考えると結構重い。
まあ、軽くさらりと読めるは、このシリーズはこういうノリだったと読みだして思い出す。
お馴染みの千晶と根津も登場。
重いのは、無実でも犯人にされる事があると言う事。
脇坂と波川の捉え方の違いに似ているかも。
自分は何もしていないから大丈夫と思っている脇坂。
状況証拠だけで犯人にさせられる危険性を重視している波川。
他の物語を読んでいても、もっと少ない疑いで犯人と決めつけられている。
だからこれだけの証拠があれば、確実に犯人にされるだろうと思える。
警察は容疑者の無実の証拠を積極的に探したりはしない、と言う。
それは事実だろうか。
2人の目撃者探しの方は、素人がやっているからそんな感じかな、と。
警察の方も、警視庁と所轄の争いがある。
笑っていられないけど、コメディだ。
そしてオチがちゃんと付きますとばかり、犯人逮捕まできちんと書かれる。
そんな中にも人間ドラマがあり、面白く読めた。


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