しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「渇きと偽り」 ジェイン・ハーパー

2021年06月15日 | 読書
「渇きと偽り」 ジェイン・ハーパー  ハヤカワ・ミステリ 
 THE DRY      青木創・訳

「ルークは嘘をついた。きみも嘘をついた」意味深な手紙を受けとった連邦警察官フォークは二十年ぶりに故郷を訪れる。
妻子を撃ち、自殺したとされる旧友ルークの葬儀に出るためだ。
彼は手紙の送り主であるルークの両親から、息子の死の真相を突き止めてくれと頼まれる。
生まれ育った町での捜査は、フォークの脳裏に苦い記憶を呼び起こしていく。
かつて彼がここを離れる原因となった、ある事件の記憶を…。
灼熱の太陽にあえぐ干魃の町で、人々が隠してきた過去と秘密が交錯する。
オーストラリア発のフーダニット
   <裏表紙より>






訳があり町を離れた人物が、友人の死の真相を解明する為に久し振りに戻って来る。
割と見かける設定。
それでも、過去に町で何があったのか、住人がどんな人達なのか。
興味深く読み進められる。
それぞれの人物も丁寧に書かれ、気持ちが手に取るように分かる。
見かけとは違う心の動き。
苛立ちや焦り、諦め。そんな中でも今を精一杯生きている人達。
気候によるその地域の特徴がある。
最近は温暖化で厳しくなっているが、それでもまだ日本は穏やかだと思える。
だからラストの恐怖は、想像するしかないが緊迫感があった。

エリーの物語も、上手く行けばよかったのにと残念に思う。
悲惨な事件だが、後味はそんなに悪くない。
続編があるので、少し変わったフォークに会えるかもしれない。
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