「殺した夫が帰ってきました」 桜井美奈

「殺した夫が帰ってきました」　　桜井美奈　　小学館文庫　

都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。
茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。
ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。
茉菜の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。
その時、二人の前にある男が現れる。男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。
男は茉菜の夫・和希に間違いなかった。しかし、茉菜が安堵することはなかった。
なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、間違いなく殺したはずで・・・・・・。
　　　　　　　　　＜文庫本裏カバーより＞






茉菜が、自分が殺したと思った夫.。
そのいつ記憶が戻るか分からない夫と同居出来るのが不思議。
感情を殺して生きているような主人公。
それは茉菜の過去の物語も同時に進行して段々分かってくる。
そして“ああ、そう言う事か”と分かると、今度は少々不自然さが目立つ。
ミスリードさせる要素が取り入れられ、物語の進行よりもそれが気になる。
この人はこの人で、と何となく先が見える。
しかしもっと劇的な何かが待っていると期待したが、そのままだった。
それぞれが他人を演じていた物語。