「連環宇宙」 ロバート・チャールズ・ウィルスン

「連環宇宙」　ロバート・チャールズ・ウィルスン　　創元ＳＦ文庫　

　　ＶＯＲＴＥＸ　　　　　　　　　　茂木健・訳

謎の超越存在“仮定体”による地球の時間封鎖という危機を乗り越えた人類は、新惑星の開拓がもたらす繁栄を謳歌していた。

精神科医サンドラはある日、新たに患者となる少年が書いたという謎めいたノートを渡される。

そこに綴られていたのは、１万年後の未来に復活した人々が残した手記だった。

サンドラは巡査ボースと協力して少年とノートの秘密を調べようとするが、不自然な妨害に遭う。一方、手記の中では、１２個の居住惑星を連結した〈連環宇宙〉を旅する巨大な移動都市国家が、“仮定体”の真実と人類の運命を解き明かすべく、荒廃した地球を目指していた。

　　　　＜文庫本１頁目より＞

「時間封鎖」「無限記憶」続く、三部作の完結編。

３部作のラストで仮定体は何かが分かると言う物。

それはアイザックが解き明かしてくれる形になるが。

結局は漠然とした物なのだが。

実体がなくても思考や記憶で世の中は進んでいる。

果てしない時間の中で、繰り返し、繰り返し起こっている事があると言う事。

そして物語はアイザックがタークと知り合った事で起きた、１万年前の事件と同時進行する。

いかにもＳＦの世界で２つの時代に関連が生まれる。

結局、地球は助からなかったのか。

でもまた別の地球が現れるのだろう。

いつか人類にもそんな日が来る。

ターク・フィンドリーが重要な人物になるとは、「無限記憶」を読んでいる時は思いもしなかった。

そして、アイザックが最重要人物。

記憶のなかには過去の人たちも沢山いるのに、アイザックだった。