しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ハイヒールの死」 クリスチアナ・ブランド 

2009年03月28日 | 読書
「ハイヒールの死」 クリスチアナ・ブランド    ハヤカワ・ポケット・ミステリ
 DEATH IN HIGH HEELS     恩地三保子・訳

クリストフ衣装店の仕入部主任のマグダ・ドゥーンが致死量の蓚酸で死亡する。
店の昼食で食べたカレーに混入していたらしい。
蓚酸はその日、販売部員のレイチェル・ゲイ、ヴィクトリア・ディヴィッドが帽子の汚れをとる為に薬局から購入したものだった。
クリストフ衣装店では、近くフランスのドーヴィルに開く支店のマネージャーを巡り、3人が争っていた。
それはマグダ・ドゥーン、店主ベヴァンの秘書ミス・グレゴリイ、販売部主任イレーネ・ベスト。
そして、毒殺はドーヴィルのマネージャーがミス・グレゴリイに決まった直後に起きた。
自殺とは思われず、毒殺事件としてロンドン警視庁のチャールズワース警部が担当する。
蓚酸を入れらる可能性があるのは、全部で10人。



クリスチアナ・ブランドの処女作。
だからか、今まで読んだものより捻りや惑わせられる事柄が少ない。
チャールズワース警部がなかなか気が付かない事に、直ぐの思い当たることもある。
しかしそれはチャールズワース警部が美人に弱く、容疑者の一人のヴィクトリアに恋して、それだけで犯人ではないと決め付けるようなことをしているから。
しかもヴィクトリアはミセスなのに、告白までしてしまうし。
今までこんな警部はいなかった。挙句の果てに担当を同期のスミザース警部に実質上譲ることになるけれど。
容疑者が限定されているのは今までと同じ。今回は同じ店の同僚で、どちらかと言うと仲がいい容疑者たち。
しかし殺人者はこの中にいたのだが、その動機がとても弱い気がする。
殺さなくても、という動機なので、それまでの過程も何となく深刻な感じがない。
色々突っ込み所の多い物語。
しかし登場人物は個性的で面白かった。
一番印象に残ったのが、チャールズワース警部だったりして。
そう言えば、『ジェゼベルの死』でも捜査を担当したチャールズワース警部は頼りなかった。
コックリル警部を当てにしていた。
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