しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「失踪者」 折原一  

2005年10月24日 | 読書
埼玉県久喜市。公民館の裏手の忘れ去られた物置から失踪後1ヶ月が経っていた
女性の死体が見つかった。そばには「ユダの息子」と書かれたメモがあった。
そして、その物置の裏手の竹薮から、白骨が見つかる。
それは、15年前の連続失踪事件の被害者だった。
そして、白骨には「ユダ」と書かれたメモが残されていた。
15年前の容疑者は3人いたが、逮捕には至らなかった。
その中の一人は15歳の中学生で少年Aと呼ばれた。
今回の事件も、他に失踪者が出て、容疑者に新たな少年Aがいた。
事件を少年法の観点から書こうとする、犯罪ノンフィクション作家の高嶺隆一郎は
助手の神崎弓子と関係者から話を聞いていく。
そして、15年前の容疑者の一人が行方不明になり、死体で見つかる。
15年前の犯人と、今の事件に繋がりはあるのか。

15年前の話と今の話が入り組んでいて、錯覚を起こしそうになる。
そして、父親が拘留中に息子に宛てた手紙が挿入されているが、この手紙の親子が誰で、
何時書かれている物なのかが分からないので、かなり惑わされる。
謎解きなのだけれど、ちょっと捻りが効き過ぎて、あまりフェアじゃないよ、と言いたくなる。
ユダと、ユダの息子はまさに親子だったのだけれど。
少年法についても考えさせられるのは、この本を読んだからではなく、最近未成年の犯罪が多いので、考えさせられる事があるからだが、どちらの遠い関係者にもなった事がないので、やはり、被害者の方に良くなる様に考えてしまう。
保護ばかりを考えては、被害者が可哀想過ぎると。
そして、犯罪者の中にはこの小説にあるような「サイコパス」が存在すると思うから。
でも、難しい問題だと思う。

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