しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「白鳥とコウモリ」 東野圭吾 

2022年11月14日 | 読書
「白鳥とコウモリ」 東野圭吾    幻冬舎    

2017年、弁護士の白石健介が殺害される。
港区の竹芝桟橋近くの路上で、違法駐車された紺色のセダンに後部座席で腹部を刺されていた。
スマートフォンが見当たらず、GPSの位置情報から江東区の隅田川の清洲橋のそばにある隅田川テラスと言う遊歩道で発見され、殺害場所とも考えられた。
やがて、白石と接触した人の中から容疑者が浮かび、本人の自供により逮捕される。
愛知県安城市に住む倉木達郎だった。
達朗は素直に供述していく。
白石には他人に遺産を遺す方法を聞いたと言う。
達郎はすでに時効になっている1984年愛知県岡崎市で起きた『東岡崎駅前金融業者殺害事件』の犯人だった事も告白する。
その事件は、事件の3日後に逮捕されて、4日後に留置所で自殺した容疑者、福間淳二がいて、それで解決とされていた。
福間淳二の妻、浅羽洋子と娘の織恵は、現在、門前仲町で小料理屋『あすなろ』を営んでいた。
その『あすなろ』に達郎は定期的に訪れ、罪の償いとして自分の遺産を浅羽親子に遺す事を考え白石に相談するが、そのやり取りの中、達郎は白石を殺す事を余儀なくされたと言う。
その供述を聞いて、達郎の息子和真と白石の娘美令はそれぞれ違和感を持つ。
「父はそんな人間ではない」と。そして、独自に調べ始める。






弁護士殺人事件から物語は始まるが、あっさりと解決。
その後は逮捕された倉木達郎が自供した事に違和感を抱いた息子の和真と被害者の娘、美令が事件を調べ始めると言うもの。
それは過去の殺人事件が根底にあり、その事件の真相も明らかにして行く。
すでに、犯人がはっきりしていて、後は裁判の仕方を考えている検察官と弁護士。
遺族や犯人の家族の思いや意見は邪魔なだけ。
そんなやり取りが、世の中とはこんなものなんだと考えさせられる。
事件に取り組んだ刑事の五代も違和感を持ちながらも、公には意見出来ない。
真実より、終わった事にした方が収まりが良いから、と。
それに対抗して真実を明らかにして行くのが面白いと言えば面白いのだが。
過去の事件をはっきりさせるのは、かなり幸運がないと無理なのは他の物語でも同じ。
こちらも、あまりにも都合が良すぎるかなと思ったり。
この事件が何故起きてしまったのかも、突っ込み処が幾つも。
人間は1人では秘密を抱えておくことは出来ないのか。
なぜ、達郎は白石に気持ちを確かめなければならなかったのだろう。
そっとしておけばいいものを。
そして、大事な事ほど書いたものより、直接の方が良いと思うのだが。
面白かったけど、無理に事件を起こした様にも感じる。

常滑にも狸の置物がたくさんある所があるのだろうか。
常滑は招き猫、信楽は狸と思っていたから。調べたら、常滑狸は希少だがあるようだ。
常滑には言った事はあるけれど、その時狸は見なかったと。と思ったら、後で写真を見たら写っていた。
これが常滑の狸かと分かって良かった。
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