しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死のエンジェル」  ナンシー・テイラー・ローゼンバーグ

2014年05月11日 | 読書
「死のエンジェル」   ナンシー・テイラー・ローゼンバーグ   二見文庫   
 SULLIVAN’S LAW               中西和美・訳

LA近郊のヴェントゥーラ郡で保護観察官を務めるキャロリン・サリバンは最近釈放されたばかりの元殺人犯ダニエル・メトロワを担当することになった。
しかし、ダニエルと親しくなるほど、彼は冤罪ではないかと、キャロリンは思うようになった。
そのうちに、2人は爆破事件に巻き込まれたり、何度か命を狙われるようになる。
そしてある日、ダニエルは何者かに車から胸を狙撃される。
幸い彼は一命をとりとめたが、キャロリンはなおも何度か命を狙われる。
   <文庫本裏カバーより>






死のエンジェルとは主人公のキャロリンの渾名。
なぜそう呼ばれるかも書かれているのだが、さらりと語られるだけであまりそのイメージはない。
それより仕事と子供との係りの中で、愛情深く奮戦する母親のイメージが強い。
そして息子のジョンがとてもいい子で、微笑ましい。
事件の流れや黒幕は、キャロリンたちが始めに予想した通りの展開。
予想外があまりなく、ストレートに進んで行くの。
興味は展開より、登場人物のやり取りや関係の面白さ。
ジョンとキャロリンの親子関係を筆頭に、ダニエルやニールの存在もいい。
個性的で魅力的な登場人物。

物語の本筋には関係ないが、気になった事は銃に付いて。
身を守ると言う事は銃を持つこと。
それが当たり前な社会と誰もが認識している。
そして、15歳の息子にも迷わず銃を与え撃つように言う。
その世界に戸惑いを覚える。
相手も銃を持っているから、対抗するには銃が必要。
この世界では、銃を持たない事は命を失うこと。
しかし、やはり日本のように銃を持たない国の方が、平和で安心感もある。
他の物語では、銃に付いて戸惑いを覚える登場人物もいる。
それは作者の思想を反映しているのだろう。
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