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「禁断の魔術 ガリレオ8」   東野圭吾

2013年09月02日 | 読書
「禁断の魔術 ガリレオ8」   東野圭吾     文藝春秋

第一章 透視す みとおす

湯川学准教授が草薙刑事と行った、銀座のクラブ『ハープ』には、透視をするホステス、アイがいた。
名刺を透視し、そこに書かれていることを当てる。
そのアイが殺される。
アイはその後、名刺だけではなく、鞄の中の物も透視して言い当てていたと言う。
草薙は、クラブの客を調べ始める。

第二章 曲球る まがる
戦力外通告を受けていた、プロ野球選手、柳沢投手の妻妙子がスポーツクラブの駐車場で殺される。
死ぬ1か月ほど前から、出掛けることが多かったと言う妙子に浮気疑惑が。
湯川は科学的な分析で、柳沢のピッチングフォームの修正を助けていた。
そんな縁で、妙子の行動を解き明かす。

第三章  念波る おくる
双子若菜と春奈。
若菜が何者かに襲われた時、春奈は胸騒ぎを覚え、一瞬男の顔を見る。
春奈は、その男が若菜を襲った犯人だと思う。
テレパシーの存在を信じるかどうか。
湯川は、身近の犯行もあると、夫の知宏に知り合いの顔写真を持ってきてもらい、春奈に見せて行く。

第四章  猛射つ うつ
マンションの一室で、フリーライターの長岡修が殺される。
そこで、ある奇妙な映像が見つかる。
建物の壁に一瞬にして穴が開いたものだった。
その後、突然バイクのガソリンタンクに穴が開いて炎上、屋形船の窓ガラスが破損という事件が起こるが、弾丸などは発見さらなかった。
長岡は、スーパー・テクノポリス計画の取材をしていて、関係者で政界の大物、大賀仁策を調べていた。
そして、事件の10日前に電話を掛けた『クラサカ工機』の従業員、古芝伸吾が1人行方不明になっていることが分かる。
伸吾は湯川の高校の後輩で、面識もあり好印象を持っていた。
そして、伸吾の姉の秋穂は、記者として大賀を担当していたが死亡していることが分かる。
伸吾に疑いが掛かかるが、湯川は伸吾に犯罪は出来ないと言い切る。






テレビドラマで先に見た章もある。
どうしても、テレビの映像が頭の中で動き出す。
しかし、テレビと物語はやはり違う。
テレビは少々湯川の出番が多過ぎ。
その為か、湯川のイメージがちょっと違う。
物語の湯川は、かなり人情的で熱さも感じられる。コメディ要素が少ない。

この中では「猛射つ」が面白い。
やはり中編で、伝えたいことがしっかりしているからだろうか。
科学はどうあるべきかのメッセージが、強く伝わる。

他の物語も、人の気持ちを大事に考える物語。

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