しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「私の家では何も起こらない」  恩田陸 

2010年03月09日 | 読書
「私の家では何も起こらない」  恩田陸    メディアファクトリー

10作からなる連作短編。
丘の上に建つ2階建ての屋敷。
住む人が変わり、様々な事件の舞台にもなり、そこは幽霊屋敷と呼ばれる。
誰もいないのに、人いっぱい居る感じがする。
今住んでいる女流作家はそんな家を心地よく思っている。



幽霊屋敷が舞台のホラー。
血生臭い事件で、ぞわぞわする物語もあるが、その割にはそれほど怖くはない。
ゆったりとした雰囲気があるからか。
幽霊より生きている人間の方が怖い、と言う話もこの物語の中にある。
しかし幽霊も、ある人間には悪さを仕掛けているような。
自分たちの所に引き込もうをする人間にはそうするのだろうか。
そんな幽霊が、最後の方では急に良い幽霊になる。
幽霊と言うより、家の守り神のような存在になっている。
その辺りは気まぐれなのか、分からない。
幽霊とは何か、そんなテーマの話もある。
実体のない物に呼び名を付けるのは人間。
都合のいいような解釈も出来る。
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