しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ミスター・メルセデス」  スティーヴン・キング 

2019年09月07日 | 読書
「ミスター・メルセデス」  スティーヴン・キング   文藝春秋   上・下巻
 MR.MERCEDES            白石朗・訳

霧雨の降る朝―
仕事を求める人々が市民センターに列を作っていた。
老人、中年、赤ん坊を連れた若い母親までが寒さの中で開館を待っていた。
そのときだ。轟音とともにグレイのメルセデスが突進してきた。
暴走者は容赦なく人々を撥ね、轢き、そして走り去った。
死者8名。負傷者多数。
凶行に使われたメルセデスはほどなくして見つかるも盗難車と判明。
警察は犯人を逮捕することはできなかった・・・・・
そして今―
退職刑事ホッジズの元に手紙が届く。
差出人はあいつだった。
現役時代に取り逃がしたメルセデス・キラー。
そいつからの挑発の手紙がホッジズの手の中にあった。
生きる目的を失っていたホッジズの中で硬骨の猟犬魂が蘇る。
やつを追う。あの殺人鬼をこの手で捕えてみせる。
   <単行本上巻カバー見返し側より>

彼の名はブレイディ。
母親とともに静かに暮らす男。
アイスクリーム売りと電器店の仕事を掛け持ちして暮らしている。
だが彼には別の顔があった。
“ミスター・メルセデス”―今ブレイディは、新たな惨劇を画策していた。
あの刑事に屈辱を味わわせ、そしてふたたび大量の死を引き起こすのだ。
ブレイディが狙うのは・・・・・・・
犯行に使われた自動車を手がかりに、ホッジズは友人である高校生ジェロームの助けを借りながら、少しずつ、あの事件の真相に迫りつつあった。
個人的な捜査はホッジズに生きがいだけでなく、新たな幸福も呼び寄せてくれた。
だが彼は知らなかった、ミスター・メルセデスの凶手がすぐそこで待ち構えていることを!
襲い来る悲劇。
巧妙に足跡を消し、前回を上回る凶行へと一歩一歩、準備を進めるブレイディ。
惨劇への無慈悲なカウントダウンはじはじまっている―。
退職警官と仲間たちは殺人鬼をとめられるのか?
    <単行本下巻カバー見返し側より>







3部作の1作目。
物語の展開としては面白いのだが何かくしっくりこない。
ホッジズには好感が持てない。
オリヴィアは惨劇を起こした犯人ではない。
確かに、その車が使われたかも知れないが、ここでオリヴィアを責めるよりする事があるだろうに。
手紙を貰ってからのように、もっとそのような捜査をすれば別の答えがその時に見つかったかも知れない。
またその事に罪悪感を覚えていないのが不思議。
その時に事を聞いて、相棒のピートをひどい奴と思うが、自分も同じだとは思わないのだろうか。
冷酷な殺人鬼の様なブレイディも間が抜けた所がある。
悲惨な話なのに、コメディっぽい。
登場人物も何だかバタバタしている。
それが落ち着かないのかも知れない。
段々ホリーが自分の持っている力を発揮していく所などは良いのだが。
ジェロームとのコンビの様子も楽しめる。
しかし、ラストのホリーの行動では、あんなに上手く行くとは思えない。
もっと違う、もっと頭を使った解決方法はなかったのだろうか。
ホッジズとブレイディの行き詰まる戦い、という物語だと思うが、何となく肩透かし。

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