goo blog サービス終了のお知らせ 

しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ザ・バット 神話の殺人」  ジョー・ネスボ 

2017年06月20日 | 読書
「ザ・バット 神話の殺人」  ジョー・ネスボ   集英社文庫    
 THE BAT          戸田裕之・訳

オーストラリアで働くノルウェー人女性が死体で見つかり、オスロ警察の刑事ハリーは捜査協力のため、単身シドニーに赴く。
ハリーも加わった捜査班の前に次第に浮かび上がる、隠れていた一連のレイプ殺人。
犯人の目星は二転三転し、捜査班は出し抜かれはて後手を踏む。
さらに、封じ込めていた自身の過去がハリーを苛みはじめる・・・。
    <文庫本裏カバーより>

「ハリー・ホーレ」シリーズ第1弾。







「ハリー・ホーレ」シリーズは幾つか読んでいる。
ハリーがなぜアルコール依存症なのか、分かるが、それはこの時でも過去の事。
すでに悩みを抱えたハリーだが、その事件の事ももう少し詳しく知りたい気がする。
ハリーの起こした事故と、真実を言えない事の苦悩。
言えない事に救われている部分もあり、葛藤も大きいだろう。
ハリーはこんな過去を持った人物だったのだ。

舞台はオーストラリア。
ハリーが組んだアンドリュー・ケンジントンは先住民。
ここでも人種の問題はある。
シドニーオリンピックが開催される少し前の物語。
オリンピックの時、オーストラアは先住民のアボリジニと上手く行っている事をアピールしていた。
しかし、実際は違っていたようだ。
そして、表向きは平等になっても、根強く残る物はあるだろう。
そんな白人と先住民の根深い歴史が生み出したとも言える事件。
先住民と言っても、それは侵略者がひとまとめにした言葉でいくつもの部族がある。
オーストラリアの歴史が背景にある物語。
それぞれの人たちが、自分なりに生きようとしている。
残酷な殺人者でも、もの悲しい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。