しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「さよならドビュッシー」  中山七里 

2016年05月14日 | 読書
「さよならドビュッシー」  中山七里   宝島社   

ピアニストを目指す遥、16歳。
両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。
祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。
それでも彼女は逆境に負けずにピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。
ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。
     <単行本カバー見返しより>









火事の場面で、それは違うのではと思った。
書き間違いなどと言う事はないだろうけれど、違和感を。
それは、最後まで読んで納得。
どうも不思議に思った事を深く考えず、先を急いでしまう。
だから、驚きと言うより、すっきりして落ち着いたのと、もっとじっくり考えたら気が付けたかも、と。
しかし火事の状況も不審だったけれど、それはそのまま。
後、気になったのは大やけどを負ってから、回復して普通の生活が出来るまでの期間が短過ぎる。
幾らなんでも、そんなに早くは治らないのではないだろうか。
しかし、段階を追って心も身体も回復する様子は。気持ちが十分に伝わって来る。
それは主人公の遥だけでなく、周囲の人たちもそう。
丁寧に書かれているので、情景やその場に空気感が伝わる。
ただ、学校の苛めの部分は、いかにもと言う感じで、いまひとつ現実味がなかったけど。
突っ込みどころは幾つかあるが、それでもテンポ良く進んで、ミステリな要素もあって面白かった。
そして、音楽を言葉で表すとこの様になるのかと。
感じた事を言葉で表すのは難しい。
読んでいると、その曲を聴きたくなって来た。

テレビドラマとして放送されると知り、先に読んでからドラマを見た。
ドラマの方は、ちょっとがっかり。
岬洋介の人柄も全然違う。
本の方がずっと面白かった。

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