しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「影が行く」 ホラーSF傑作選     

2010年06月11日 | 読書
「影が行く」 ホラーSF傑作選      創元SF文庫
ホラーSF13編、日本オリジナル編集のアンソロジー。
中村融・編訳

「消えた少女」リチャード・マシスン
声はするが、姿が見えない幼い娘。
4次元の空間に入り込んでしまったらしい。

「悪夢団(ナイトメア・ギャング)」ディーン・R・クーンツ
悪夢団のボス、ルイスは団員を思いのまま操る。
新しい団員は、死刑があった後に加わる。

「群体」シオドア・L・トーマス
偶然が重なって発生した生命体。
それは、地下の下水管で育ち、やがて地上へと遡って来る。
ひとつの都市がそれで消滅する。

「歴戦の勇士」フリッツ・ライバー
勇者に憧れるマックス。
友人のフレッドは、自分のアパートの前で目にしたものに警戒する。
マックスはフレッドが姿を消すために時間稼ぎの演技をする。
フレッドは追われる勇士だった。

「ボールターのカナリア」キース・ロバーツ
ポルターガイストを撮影しようとして、フレイ僧院へ行った2人。
その後で恐ろしいことが。
何かを怒らせてしまったらしい。

「影が行く」ジョン・W・キャンベル・ジュニア
南極基地で、凍りついた物体を解凍したことによって生き返った未知の生物。
知らぬ間に基地に居る生物に成りすます。
隊員たちも、誰が成りすまされているのか、分からなくなる。

「探検隊帰る」フィリップ・K・ディック
2年前火星に行った探検隊が帰還する。
しかし、住民は怯えて逃げる。
探検隊は、火星着陸の時大破して乗組員は死亡していた。
それから、2ヶ月毎に同じ探検隊が帰還して来る。

「仮面(マスク)」デーモン・ナイト
あらゆる手段を使い、人工の臓器などで生かされている男。
自分はそうありたくないと必要のない仮面を付ける。

「吸血機伝説」ロジャー・ゼラズニイ
地球上に最後に残った吸血鬼は、他のロボットとは異なる魔物ロボットと交流があった。
魔物ロボットが窮地に陥った時、吸血鬼が取った行動は。

「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」クラーク・アシュトン・スミス
墓地の発掘で遭遇したのは、頭巾の様に頭に被さり、人間を喰う物だった。

「五つの月が昇るとき」ジャック・ヴァンス
五つの月が同時に空にある時は、何も信じてはいけない。
灯台守のペリンは、自分が望む物が現われることに混乱する。
交替まで、11週間。

「ごきげん目盛り」アルフレッド・ベスター
人に危害を加えるはずがない、アンドロイドが狂って殺人を犯す。
温度が関係しているらしい。
その感情は、主人にも影響されるものなのか。

「唾の樹」ブライアン・W・オールディス
宇宙から飛来した物は農場の池に落ちる。
目には見えないが、何かがいる。
そして、農場の家畜や作物が何でも大きく育ち始める。

「影が行く Who Goes There? 」は、映画「遊星からの物体X」82年、「遊星よりの物体X」51年の原作。



この中でよく読んでいるのは、フィリップ・K・ディック。
アルフレッド・ベスターは少し。

「探検隊帰る」はディックらしい、怖さとやるせなさを感じさせる。
SFホラーと言っても、ロボットや宇宙人が出て来ないものもある。
未知のものが側にいる怖さ。
毒々しい感じの怖さが多いけれど、結構映像が浮かんでしまう。
何となく、似たような物語を知っているような気もするが、こちらが元だったりするのかも。
それぞれ特徴があり、楽しめた。
好きなのは「群体」「探検隊帰る」「五つの月が昇るとき」
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