しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「魔眼の匣の殺人」  今村昌弘 

2020年06月27日 | 読書
「魔眼の匣の殺人」  今村昌弘   東京創元社  

娑可安湖集団テロ事件から3か月。
剣崎比留子は、班目機関なる組織の研究機関がW県I郡旧真雁地区にあった言う情報を得る。
また『月刊アトランティス』と言う雑誌に、娑可安湖集団テロ事件などを予言した手紙が来たと掲載される。
差出人不明だが、消印はW県。そして村人からM機関の実験施設があったとの情報も。
葉村譲は内緒で出掛けようとする比留子に気が付き、一緒に付いて行く。
比留子と葉村は電車を乗り継ぎ、路線バスに乗って、今は「好見(よしみ)」と呼ばれる地区に向かう。
バスの中では、男女の2人組の高校生がいた。茎沢忍と十色真理絵。
その十色が突然、バスの中でスケッチブックを出して絵を描き始める。
そのすぐ後に、バスは猪にぶつかり急停車する。
葉村は、十色の絵を見ていて、それがこの状況を描いたものだと気が付く。
高校生と葉村たちの目的地は一緒だった。
しかし、好見へ向かう道はフェンスで封鎖されていた。
フェンスの脇をすり抜けて行くと村人はいないが、4人と出会う。
ツーリングの途中でガス欠になったと言う青年王寺貴士と墓参りに来た元住人朱鷺野秋子、車のトラブルで電話を借りようとしていた獅々田巌雄と純親子。
8人は朱鷺野の案内で、昔研究所だったという建物に向かう。
そこは予言者のサキミが暮らす「魔眼に匣」と村人が呼ぶ四角い箱のような建物だった。
「魔眼に匣」にはサキミを世話する神服奉子と、取材に来ていた「月刊アトランティス」の記者臼井頼太がいた。
村に人がいないのは、サキミの予言の為だった。
「11月の最後の2日間に、真雁で男女2人ずつ、4人死ぬ」と言う物で、今日は11月28日だった。
その後奇しくも、サキミを含む11人が真雁に閉じ込められる。









閉じ込められた空間のなかで、その中で4人が死ぬと予言される。
信じてはいなくても、心穏やかではいられないだろう。
しかしそれであっさり、他の人を殺せば自分は助かるとなるだろうか。
まあ犯人はより普通の状態ではなく、“呪い”に掛っていたのだから、それも有なのか。
その中に同じ様に予言をする少女がいる。
サキミの予言も今まで当たって来たと言う。
これはそのまま、受け入れる物語。
屍人荘とは違うクローズドサークル。
犯人はその中にいると言う怖さ。
状況は面白いのだが、途中から少々その雰囲気をそぐわない展開に。
剣崎と葉村のトリックや、最後の殺しのトリックは少々上手く行き過ぎ。
最後の最後の謎解きはなるほどと納得。
まだ続きがあると予告もあった。
まだ引っ張るのだ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「屍人荘の殺人」 今村昌弘 | トップ | 「訣別」  マイクル・コナ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事