しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「冷酷な丘」  C・J・ボックス 

2018年11月10日 | 読書
「冷酷な丘」  C・J・ボックス  講談社文庫     
 Cold Wind         野口百合子・訳

ジョー・ピケットの義母ミッシーの5度目の夫アール・オールデンが殺害される。
オーデンは大富豪で、風力発電の事業を始めていた。
その完成した風力タービンの1基に吊るされているのを最初に発見したのはジョーだった。
殺人事件としてマクラナハン郡保安官に連絡するが、保安官はすでに知っているような感じがした。
そして、すぐにミッシーを殺人容疑で逮捕する。
ミッシーには不利な証拠があり、オールデンが離婚しようとしていた事も分かる。
保安官はミッシーを犯人と決めつけ他の事を見ようとしない。
ジョーは、真相を探り始める。
一方、ネイト・ロマノウスキは、恨みを持つ人間に命を狙われる。
誰も知らないはずの隠れ家、渓谷の洞窟にロケット弾が撃ち込まれる。








今までとは少し違い、ジョーはまるで探偵のように殺人事件を調べ真相を見つける。
しかし、いくらミッシーの事が嫌いだと言え、逮捕されてほくそ笑んでしまうのは頂けない。
最愛の妻メアリーベスのお母さんなのだから。
メアリーべスの気持ちを考えたらその気持ちは隠さないと。
そこも正直なのかも知れないが。
調べるうちに風力発電の事業が絡んでいるという疑いも生まれて来る。
風力発電も、色々と問題があるのだ。
前にも同じような問題定義の物語を読んだ。
あの風力タービンを見ると、自分は雄大さを感じ綺麗だと思っていた。
そして自然の力を使って、良い事だけだと思っていた。
しかし、人が暮らすすぐ側にあり、その音が聞こえて来たら騒音となる。
今までは広い、人が周りにいない所にあると思っていたが、現実としてはどうなのだろう。
そして、あのタワーの中に階段があるなんて想像もしていなかった。
確かに考えたら、必要なのだけど。
どこかお伽噺の中も物の様に想像した自分に呆れる。

1度始めてしまったら、マイナス面が沢山出て来ても引き返せない人達。
自分のミスを認めたくない、無能と思われたくない。
そんな事は世の中の上に立つ人達にはたくさんあるのだろう。
今回も問題提起がなされている内容。
ネイト自身の事件もあり、まったく関係のない2人の事件が描かれていると思っていた。
まさか、繋がりが出て来るなんてビックリ。
最後はネイトの事件の新たな展開を予想させて終わる。
続きはネイトが主人公になると言う。
早く続きが読みたい。


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