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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ソウル・コレクター」 ジェフリー・ディーヴァー 

2010年04月23日 | 読書
「ソウル・コレクター」 ジェフリー・ディーヴァー     文藝春秋
 The Broken Window    池田真紀子・訳

科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。
自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。
しかしライムは不審に思う―証拠がそろいすぎている。
アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。
そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。
犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。
神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる…。
   <カバー見返しより>

リンカーン・ライムシリーズ、第8弾


前回の『ウォッチメイカー』の続きかと思ったら、新たな犯人が登場。
今回の犯人、未詳522号はコンピューターの中の個人情報を利用して犯人を作り上げる。
データを改ざんして、事実を変えてしまう。
映画でも、本でも、そのような犯罪をテーマにしたのを見る。
データが事実を信じる基本になるのは、噂を信じるより道理は通っている気がするが。
個人情報を自由に操るとどのようなことが出来るか、それがよく分かる。
かなり怖いが、これはもう物語の中だけではないのかも知れない。
いくら間違いを訴えても、人間は信じてもらえないだろう。
どこかに、機械は間違えないという思いがある。

今回は、大ドンデン返しはなかった。
最大の危機を救ったのは、半分は幸運だったかも知れない。
それだけライムにも、犯人の目星が最後まで付かなかったということ。
アリバイの有無も関係なくなる手段が取れる犯人だから。
何となくライムもオタク並にコンピューターが得意だと思っていたので、意外だった。
ライムの、少年から青年にかけての物語も面白く読める。

『ウォッチメイカー』の続きは次作に持ち越しだろうか。
そんな雰囲気はある。

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