しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「老いたる詐欺師」  ニコラス・サール

2018年05月02日 | 読書
「老いたる詐欺師」  ニコラス・サール  ハヤカワポケットミステリーブックス   
  THE GOOD LIAR           真崎義博・訳

インターネットを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。
お互い高齢の彼らは親睦を深め、共同生活を送ることになる。
だがそれはロイによる策略だった。
彼はこれまで数々の人間を騙し、陥れてきたベテランの詐欺師だったのである。
ロイは悠々とした老後を過ごすべく、ベティの資産を奪い取ろうと着々と計画を進めていくが…。
冷酷な犯罪と並行して明らかになっていくロイ自身の秘められた過去。嘘と偽りに満ちたその生涯の奥底にあるものとは―?
巧みな心理描写で絶賛された新鋭作家のデビュー長篇。
     <裏表紙より>







詐欺師のロイの物語。
ただ、言葉で詐欺師とあるだけで、過去にあった詐欺の手口などの話はあまりない。
現在の、ベティから資産を奪い取り算段に苦心するさまが続く。
ベティも何か企んでいる様子があるので、何かが起こるのを待つのだが。
物語はなかなか進まない。
動き出したあたりからは、何となく先が見えて来る。
ただ、ともに年老いていて復讐は若い頃とは形を変えるものなのだ。
年を取ると言う事を考えてしまった。
そしてそれぞれの人生の背景には戦争がある。
戦争がなければ、みんな違った人生だったろうに、と。
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