しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「夜のピクニック」 恩田陸 

2007年04月04日 | 読書
朝8時から翌朝8時まで、夜中に仮眠を挟んで80キロ歩く北高鍛錬歩行祭。
前半はクラス毎の並んでの歩行で、後半は自由歩行となる。 
1年から3年まで全校生徒参加の歩行祭は、3年生にとっては高校生活の最後の行事なる。
3年の西脇融(とおる)は、自由歩行をテニス部の仲間と歩くか、親友の戸田忍と走るか迷っていた。
融と同じクラスの甲田貴子は自由歩行はクラスは違うが遊佐美和子と歩くことを決めていた。
2人は性格が正反対だが、とても気が合った。
その美和子と忍は、貴子と融がお互いに意識し合っているのを感じていて、2人をくっつけようとするが、お互いに相手は自分を嫌っているという。
貴子と融には誰も知らない秘密があった。
自分は融に憎まれていると感じている貴子だが、この歩行祭の間に、一つの賭けをしていた。



この物語の中で、「本を読むにはその時期がある」というのがある。
例えとして「ナルニア国物語」を子どもの時に読んでいたら自分の人生はもっと違うものになっていたのでは、
ということ。確かにそういうのはある。
そして、この「夜のピクニック」も高校生の頃に読む方がいいのかとも思う。
10代の青春だと、ノスタルジックに思う。
でも、高校時代の青春って恋に関連したことばかりなのかと、ちょっと疑問にも思う。
貴子と融の感情もどちらかというと、恋愛感情と変わらない気がしてしまう。
夜中に歩いたことや、黙々と歩くことも経験しているので、その場の雰囲気はよく伝わってきた。
夜歩くのは結構気持ちがいいし、いつもとはちょっと違う気分になることも事実。朝が訪れる時の空の微妙な変化も毎回違っていい。
今までは、ちょっとクセのある恩田さんの世界だったが、これはストレートな世界だった。
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