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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「デパートに行こう!」  真保裕一 

2013年08月27日 | 読書
「デパートに行こう!」  真保裕一    講談社

創業百年祭さなかの鈴膳百貨店、日本橋本店。
土曜日のその日は、残業禁止日で業者の出入りのもなく、閉店の後は電源が落とされる。
そんな鈴膳に居残ったり、入り込んでいる男女が。
加治川英人は、すべてを失い、所持金は143円。母親との思い出が深い、デパートへ足が向いた。
店員の山添真穂は、ある目的を持って1度退社したデパートへ、ひっそりと戻る。
家出して来た、コージとユカは、3日目で所持金が無くなり、鈴膳の劇場に忍び込む。
社長の矢田純太郎は、秋浦店で起きた贈収賄事件の責任とライバル店の伊住屋の合併問題で苦悩し、茫然とした気持ちで店内を見て回っていた。
元警官の塚原仁士は、ヤクザとのトラブルで、怪我を負い、鈴膳に逃げ込む。
そして、夜間の警備に当たる、半田良作をはじめとする、防災センターの警備員たち。
贈収賄事件の真相も明らかになる、鈴膳での一夜の物語。






たくさんの登場人物。
それぞれが思いを抱えて、ひとつの場所に集まってしまう。
すると、その一人一人に繋がりがあり、結末へ向かって行く。
そんな物語のパターンは結構好きな方。
パズルのピースが嵌って行く所が楽しい。

閉店後の鈴膳デパートに集まった人たち。
その動機に納得が行く人と、少々無理がある人がいる。
大元も問題が買収というのも、少々物足りなく感じる。
だから、フィナーレもそれなりのまとまりだったような。
人情を全面に出したかったのか、半田良作のエピソードは付け足しのような感じもする。
もう少し、ハラハラドキドキでどんでん返し、みたいなのが欲しかった。

昔ながらのデパートを懐かしむ加治川英人の思考は、理解出来る。
屋上のノンビリした感じは、自分も懐かしい。
でも、もう少し前は、ちょっと休憩したくても座る場所もなかったけれど、最近は少しずつそんな場所がある気がする。
ただ、あまり高級志向のデパートには行くことは少ないけど。

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