しましましっぽ

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「十二国記 月の影 影の海」(再読) 小野不由美 

2019年10月06日 | 読書
「十二国記 月の影 影の海」(再読) 小野不由美   講談社文庫   上・下巻

中嶋陽子は、生まれつき髪が赤味がかっていたが、大人しい穏やかな性格の女子高生だった。
ある日、学校に突然現れた金髪の青年に「お捜し申しあげました。私とおいで下さい」と言われる。
戸惑う内に、この世の物とは思えない巨大な妖鳥に襲われる。
ケイキと名乗る青年から、理解出来ない事を言われるまま、反復するように「許す」と言う。
陽子は自分の主人だと言う。
そして剣を渡され、その妖鳥を倒せと言われる。
怖がる陽子に、ケイキはジョウユウを憑依させる。
陽子の意志に関わりなく、陽子は剣をふるい、妖鳥を倒していた。
ケイキが呼び出した獣ヒョウキに乗り、カイコ呼ばれるケイキの僕と共に空を飛ぶ。
やがて、海に映る月の光の円の中に飛び込む。
そこは短い光のトンネルで、抜けると海の上にいた。
しかし、別の妖魔が襲い掛かり、陽子は墜落してしまう。
波打ち際で陽子は目覚める。そこは全く知らない世界だった。
ケイキもカイコも近くには居ず、陽子は1人だった。
歩くうちに、田園風景を見つけ、そこで働く村人に声を掛けられると、言葉が通じる事に驚く。
その村人は、陽子を海客だと言う。






十二国の最初の物語なので、何も知らない陽子と一緒に十二国を学んで行く物語でもある。
陽子の戸惑いや苦悩も丁寧に書かれていて、感情移入が出来る。
究極な状況に置かれても、何とか生きて行こうとするのは人間の本能でもあるだろう。
しかし、ジョウユウがいなかったら、当然生きては行けなかった。
そこは、ファンタジー。
そう、言葉が通じる事もとても大きい。
そして、楽俊と出会えた事。
楽俊のように、考えていけたらいい。
人に左右される事無く、自分の生き方は自分で決めているから清々しい。
変な風に人を恨むこともない。
1度シリーズを読んでいるので、それぞれの性格も分かっているので、より楽しめる。
景麒の、最初に陽子と出会った時の態度など、景麒らしいと納得。
アニメの印象も強く、楽俊は完璧にあのキャラクターが頭の中で動いている。

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