しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「いけない」  道尾秀介

2021年01月16日 | 読書
「いけない」  道尾秀介  文藝春秋   

4編からなる連作短編集。

第1章 弓投げの崖を見てはいけない
蝦蟇倉東トンネルで起こった交通事故。
警察は事故を誘発して逃げた人物を追っていた。
その中には、被害者安見邦夫の妻弓子と大学時代に知り合いの刑事がいた。

第2章 その話を聞かせてはいけない
中国から両親と白沢市に引っ越して来た少年は馬珂(マーカー)は名前から苛められ、1人ぼっちで寂しい思いをしていた。
珂はある日、文房具屋のおばあさんが殺されているのを目撃する。

第3章 絵の謎に気づいてはいけない
宗教団体、十王還命会蝦蟇倉支部の幹部、宮下志穂が自宅で死んでいるのが発見される。
自殺と判断される中、新人刑事の水元は、納得できない点があると言う。
水元と組んでいる先輩刑事の竹梨は、水元に付き合って捜査を続ける。

終章  街の平和を信じてはいけない
2人の人物が、ある事件と死に対して告白を書いた手紙をしたためていた。
2人はその手紙の扱いを考慮していた。






蝦蟇倉市と白沢市、それを繋ぐ白蝦蟇シーライン。
途中には弓投げの崖と蝦蟇倉東トンネルで起こった幾つかの事件の物語。
『蝦蟇倉市事件1』で「弓投げの崖を見てはいけない」を読んでいた。
その後に書かれた短編と上手にリンクしてひとつの物語になっている。
それぞれに謎があり、最後まで来てもはっきりとはしないので、もう1度考えなくてはならない。
ああ、なるほどと納得しながらも、そんな事に、と納得できない内容もある。
第1章は『蝦蟇倉市』の時に、ちゃんと読めば分かるとあったので、その時確認して分かったと感想に書いてあった。
それはもう忘れているので、もう1度確認しながら読んで分かった。
第3章も真相が分かると、随分辛いと言うか酷い話だ。
そして、第2章の子どもたちもあんな事があったのに。
心の傷はないように、ただ”良かった”で終わっているようなのが気になった。
結末は良かっただが、これはじわじわ来る怖さ。
しかし、上手く行ったから良かったけど。
怖い話。
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