しましましっぽ

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「ジェゼベルの死」 クリスチアナ・ブランド 

2009年03月26日 | 読書
「ジェゼベルの死」 クリスチアナ・ブランド    ハヤカワ・ミステリ文庫
  DEATH OF JEZEBEL  恩地三保子・訳

1940年、ロンドン。
マレー出身の青年将校ジョニイ・ワイズは婚約者のパーペチュア(ペピイ)・カークに裏切られ自殺する。
ペピイの裏切りを仕組んだのは、役者のアール・アンダーソンと策略家のイゼベル(ジェゼベル)・ドルー。
時が経ち、〈帰還軍人のためのモデル・ハウス展〉で行なうページェントに係わっていた3人に脅迫状が届く。
それは、舞台設定図の裏にそれぞれの名前と“お前は殺されるのだ”と書かれ、持ち物に紛れ込まされていた。
ページェントが行なわれた当日、女優として登場したジェゼベルが絞殺される。
そのすぐ後にペピイは何者かに閉じ込められ、アール・アンダーソンは行方不明になる。
脅迫状を入れられたのは、貰った3人を含むペ-ジェントの関係者7人。
しかしジュゼベルに近づけた人物はいなかった。
捜査を担当したスコットランド・ヤードのチャールズワース警部は、ケント州警察から研修に来ていたのコックリル(コッキー)警部と共に犯人を捜す。



一種の密室と限定された容疑者、動機は復讐。
しかし解明しなければならないことはたくさんあり、いくつもの推理が登場して消えていく。
容疑者が限られるのは「緑は危険」と同じだが、こちらはみんな善人に見えたのに、今回はみんな何か腹黒い所がある人物に見えた。
登場人物の違いで犯罪に対する気持ちが変わる。
殺されていい人間なんていないと思うが、結構そういう心情で左右されるのは事実だ。
謎解きがあり解決するのだが、今回のトリックは成る程とは思うが、本当に出来るのだろうかとちょっと疑問。
実際にやって見せて欲しい気がする。
しかし、想像するとぞっとすることもあり、それは実際には見たくない。
そのことが読み終わって1番印象に残った。
コッキー警部は2度目だが、今回は随分いい人に感じられた。
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