しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「すべて死者は横たわる」 メアリー・W・ウォーカー 

2008年05月06日 | 読書
「すべて死者は横たわる」 メアリー・W・ウォーカー     講談社文庫
  ALL THE DEAD LIE DOWN     矢沢聖子・訳

クライム・ライターのモリー・ケイツは現在審議中の拳銃携帯許可法案を取材するため、テキサス州上院議会に通っていた。
上院議員にはモリーの亡き父の親友で、名付け親でもあるパーネル・モリゼイがいた。
そしてモリーは傍聴席に一人の男、オリン・クロッカーを見つける。
それは28年前、父のバーノン・ケイツが死亡した時に、調査もしないまま自殺と決め付けた保安官だった。
モリーは、父は自殺する原因はなく、殺されたと主張していた。そして、モリーにとってクロッカーは憎むべき存在だった。


モリー・ケイツシリーズの第3弾。
この物語にはもう一人の主人公はいる。ホームレスの女性、サラ・ジェーン。
モリーとサラの2人の目から語られる物語。
モリーは28年前の真相を探り、サラは今自分に降り掛かっている事件を切り抜けようとする。
拳銃を外で持ち歩いても違法ではない、という法案。
銃社会のアメリカだけれど、外で持っては行けないことになっている。
確かに、腰に下げていたりしたら西部劇だ。
しかし、自分の身を守るには銃は手っ取り早い手段、特に女性には。
銃を持つ心強さはあるだろうが、持っているのが自分だけではないと考えたら、核抑止力と同じような気もするが。
色々考えさせられるテーマが提示されているのだが、物語としては何となく、ぐっとのめり込めなかった。
モリーの精神状態が落ち着かなくさせるから、だろうか。
サラの考え方や生命力の強さが、銃があるとかないかではなく、生きている基本なのだろう。
サラのキャラクターが活きている物語。

「それは死ではなかった。
わたしは立っていたから
すべての死者は横たわる」 エミリー・ディキンソン
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