しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「地層捜査」  佐々木譲 

2017年05月21日 | 読書
「地層捜査」  佐々木譲   文春文庫   

無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。
15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。
専従捜査員は水戸部ただ一人。
退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。
     <文庫本裏カバーより>







古い事件を捜査し直す、コールドケース。
ひと昔前とはガラリと変わっている今の日本。
四谷荒木町が花街だったことは知らない。
加納の話す荒木町の歴史を水戸部と一緒に、「そうだったんだ」と聞いている感覚。
水戸部たちが周りを歩いて、地図も書かれていてので、その地形も想像がつく。
15年前の事件がそう簡単に分かる筈はない。
それでも、その殺人事件の他にも起こっていた事件があるのが分かる。
小さなことの積み重ねと、意外な事実。
少しずつ分かっていく事に、緊迫感も出て来る。
バラバラだったことが一つに集約していく面白さ。
その展開が自然で上手い。
人が1人殺されるには、はやり大きな感情が働いていた。
その時代背景もしっかり事件に関係していた。
地味だけれど、しっかりした物語。

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